
「プログラミングで論理的思考力が育つ」は本当に起きていることなのか
「プログラミングを学ぶと論理的思考力が育ちます」
プログラミング教育の場でよく聞かれる言葉です。でも、これを聞いた保護者の方の中には「それって本当に?」「マーケティング文句じゃないの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
正直に言います。これはマーケティング文句ではなく、授業で実際に起きていることです。
私はクロスウェーブでScratch(スクラッチ・※MITが開発した子供向けビジュアルプログラミングツール)の指導を続ける中で、何十人もの子供たちの変化を目の前で見てきました。論理的思考力(※物事を順序立てて考えるチカラのこと)の変化は、テストの点数ではなく、日常の言動に現れます。「なぜ動かないんだろう」と自分で考え始める子、「こういう順番でやると早いよ」とゲームの攻略法を友達に説明できる子、算数の文章題を「まず条件を整理してから」解くようになる子。スクラッチの授業を続けていると、こうした変化が本当に起きます。
この記事では、Scratch(スクラッチ)を通じて子供の論理的思考力がどのように育つのかを、現場で見てきた体験ベースでお伝えします。
Scratch(スクラッチ)の授業で実際に見た子供の変化
スクラッチを学び始めた子供には、時間とともに明確な変化が現れます。1ヶ月・3ヶ月・半年という区切りで見ると、その変化の軌跡がよくわかります。
1ヶ月後の変化
はじめてスクラッチに触れる子は、キャラクターが思い通りに動かないときに「わからない」と手が止まることが多いです。でも、1ヶ月ほど授業を続けると、「どこが違うんだろう」と自分で画面を見直す姿が現れ始めます。
とくに印象的なのは、エラー(※プログラムが正しく動かない状態)への向き合い方の変化です。最初はエラーが出るたびに落ち込んだり諦めようとしたりしていた子が、「あ、ここのブロックが逆だったかも」と自分でブロックの並びを確認し始めるようになります。「なぜ動かないのか」を自分で探す姿勢が、1ヶ月という短い期間でも育ち始めます。
[エピソード:小学3年生の生徒が、スクラッチで作ったゲームのキャラクターが動かない場面で、以前は「もうわからない」とすぐに頼ってきたのが、ある日「先生、ここのブロックをこう変えたら動きましたよ」と自分で解決して報告してくれた。その顔の得意げさが、1ヶ月前とまったく違っていた。]
3ヶ月後の変化
3ヶ月ほどでスクラッチに慣れてくると、「まず設計を考えてから作る」という習慣が育ち始めます。
最初の頃は「とりあえず作ってみよう」とブロックを組み始める子が多いです。でも、3ヶ月ほど経つと、作り始める前に「このゲームはどんな流れにするか」を考えてから手を動かすようになります。「最初にスコアを表示して、キャラクターが壁に当たったらゲームオーバーで、クリアしたら次のステージに進む」という全体の流れを頭の中で先に組み立てる姿勢が出てきます。複数の手順を先読みして考えられるようになるこの変化は、Scratch(スクラッチ)の外の場面でも現れ始めます。
半年後の変化
半年ほど継続してスクラッチを学んだ子に、とくに顕著な変化が現れます。日常の出来事を「もし〇〇なら〜する」という条件分岐的な見方で語るようになるのです。
「もし雨だったら傘を持っていく、そうじゃなければ持っていかない」「もし時間があったら宿題を先にやる、なかったら後でまとめてやる」——こうした「場合分けして考える」言葉が、スクラッチを続けた子の日常会話に自然に出てくるようになります。
学校の算数・理科での変化を報告してくれる保護者も複数いらっしゃいます。文章題を「まず何を求めているかを確認してから、手順を分けて解く」という解き方が自然にできるようになったというエピソードを何度も聞いてきました。地域の小学校教諭から「プログラミングを習っている子は、問題の解き方の筋道が丁寧」という話を聞いたこともあります。
[エピソード:小学5年生の保護者から「理科の実験の手順を書く課題で、他の子より細かくステップを分けて書けていた、と先生に褒められた」という連絡をいただいた。スクラッチで「処理を順番に分けて考える」習慣が、実験の手順書きにそのまま活きた例だと感じた。]
なぜScratch(スクラッチ)が論理的思考力を育てるのか
認知科学(※人間の思考・学習の仕組みを研究する学問)の観点から見ると、Scratch(スクラッチ)は論理的思考力を育てるのに優れた環境を持っています。
まず、「手を動かしながら考える」という学習スタイルです。人間の脳は、頭の中だけで考えるより、実際に手を動かしながら思考する方が深く理解できる仕組みを持っています。スクラッチでブロックを動かし、実行結果を確認しながらプログラムを改善する行為は、この「動作を伴う思考」を自然に促します。
次に、「すぐ結果が見える」環境が試行錯誤を促進します。スクラッチはブロックを1つ変えたら即座に動作が変わります。「試して・確認して・調整する」というサイクルが短い間隔で回るため、「やってみて考える」という探索的な思考スタイルが自然に育ちます。
そして、「失敗しても何度でもやり直せる」環境が思考の柔軟性を育てます。Scratch(スクラッチ)では、どれだけ失敗してもすぐに元に戻せます。失敗にコストがかかる環境では人は安全な選択しかしなくなりますが、失敗が怖くない環境では「こうしたらどうなるか」という実験的な思考が生まれます。この柔軟性こそが、論理的思考力の成長を支えます。
Scratch(スクラッチ)で育つ「論理的思考力」の5つの側面
スクラッチを通じて育つ論理的思考力は、一種類ではありません。授業の中で観察してきた変化をもとに、5つの側面に整理してみます。
側面1:分解する力
大きな問題を小さなステップに分ける力です。Scratch(スクラッチ)でゲームを作るとき、「ゲーム全体」をいきなり作ることはできません。「キャラクターの動き」「スコアの計算」「ゲームオーバーの条件」「BGMの設定」という具合に、パーツに分けて順番に作っていきます。この「分解してから取り組む」という発想が、スクラッチを通じて自然に身につきます。
側面2:パターンを見つける力
繰り返し処理(ループ・※同じ処理を何度も自動で行う仕組み)を使いこなすことで、「同じことの繰り返しをまとめる発想」が生まれます。Scratch(スクラッチ)で「同じブロックの塊を何度も並べている」と気づいたとき、「これ、ループでまとめられる」という気づきが「パターンを見つける力」そのものです。この力は、勉強でも仕事でも「効率的な方法を見つける」力として活きます。
側面3:条件を整理する力
「もし〜なら〜する、そうでなければ〜する」という条件分岐(※状況によって処理を変える仕組み)が複雑になるにつれ、「場合分けして考える力」が育ちます。スクラッチで「体力が0ならゲームオーバー、そうでなければゲーム継続、かつスコアが100ならボーナス」という条件を整理する経験が、日常の複雑な状況を整理する力につながります。
側面4:デバッグする力
デバッグ(※プログラムの間違いを見つけて直すこと)は、Scratch(スクラッチ)の授業で繰り返し経験する思考プロセスです。「動かない原因はどこか」「どのブロックが間違っているか」「一つずつ試していくとどこで止まるか」という論理的な追跡は、学校での問題解決にもそのまま活きます。「なぜそうなるか」を論理的に追いかけるデバッグ思考は、スクラッチを通じて育つもっとも実践的な力のひとつです。
側面5:設計してから作る力
「まず全体の流れを考えてから、パーツを作る」というトップダウン思考(※全体から部分に向かって考える方法)は、Scratch(スクラッチ)でゲームを作ることを通じて自然に育ちます。「完成した姿から逆算して今何が必要かを考える」という発想は、勉強・部活・仕事のあらゆる場面で使える力です。
論理的思考力はプログラミング以外でも活きる
Scratch(スクラッチ)を通じて育つ論理的思考力は、プログラミングの授業の中だけで完結するものではありません。
算数・数学での文章題では、「何を求めているか→必要な情報は何か→どの順番で計算するか」という手順を分解して考える力が直接活きます。スクラッチで「ゲームの処理を分けて組み立てる」経験をしている子は、文章題を分解してアプローチする感覚が自然に育っています。
国語での「話の構造を理解する力」にも影響が出ます。物語の「起→承→転→結」の流れや、説明文の「問い→根拠→結論」という構造を把握する力は、スクラッチで「プログラムの流れを追う」練習と深いところで繋がっています。
日常生活での問題解決にも変化が現れます。「うまくいかないとき、感情的になる前に何が問題かを考えようとする姿勢」は、デバッグの経験から来ています。スクラッチでエラーと向き合い続けた子は、日常の「うまくいかない場面」でも「どこが問題か」を冷静に探そうとする傾向が出てきます。
そして、将来どんな仕事に就いても使える汎用的なスキルです。AIが多くの仕事を担うようになる時代でも、「問題を分解して、条件を整理して、手順を設計する」という論理的思考力は、人間にしかできない価値ある力であり続けます。
クロスウェーブのScratch(スクラッチ)指導で大切にしていること
クロスウェーブでスクラッチを指導する上で、私がもっとも大切にしているのは「答えを教えない」というスタンスです。
「このブロックをここに置けば動く」という答えを先に教えてしまうと、子供は「正解を探す」モードに入ります。論理的思考力を育てるためには、「なぜこのブロックをここに置くのか」という理由を自分で考える時間が必要です。だから、クロスウェーブでは「ここがおかしいと思うんだけど、なんでだと思う?」という問いかけで返すことを基本にしています。
「なぜそうなるか」を一緒に考える対話型の指導スタイルも、論理的思考力の育成に直結します。「こうなったのはなぜ?」「次はどうすれば解決できると思う?」という会話を重ねることで、子供は「考え方のプロセス」そのものを学びます。
小さな達成感を積み重ねる課題設計も重要視しています。「難しすぎて挫折」「簡単すぎて退屈」のどちらも、思考力の成長を止めます。スクラッチの授業では、「少し頑張れば届く難しさ」を維持した課題を設計することで、子供が常に「考えながら進む」状態を保てるようにしています。
まとめ:Scratch(スクラッチ)は「論理的思考力の体育館」である
スポーツを続けることで体力がつくように、Scratch(スクラッチ)を続けることで論理的思考力は確実に育ちます。1回の授業で劇的に変わるのではなく、毎週の積み重ねの中で、じわじわと、しかし確実に変化が生まれます。
「プログラミングで論理的思考力が育つ」は、宣伝文句ではなく、授業で実際に起きていることです。スクラッチの授業で子供が変わっていく瞬間を、私はクロスウェーブで何度も目にしてきました。
「今日から始めよう」と思っていただけたなら、ぜひクロスウェーブの無料体験授業にお越しください。Scratch(スクラッチ)の授業を実際に体験しながら、お子さんの「論理的思考力の体育館」への第一歩を踏み出しましょう。
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