冒頭:時代の変わり目に立つたびに聞こえてくる「不要論」
インターネットが一般の生活に入り込み始めた頃、私はよくこんな言葉を耳にしました。「ITなんて、一部の専門家がやればいい」。今から考えると不思議な話ですが、当時はそれが“常識”のように聞こえていたのです。
私は1993〜1994年頃にHTMLと出会い、その後は大手インターネットプロバイダの立ち上げ、官公庁や自治体のシステムやWebサイト制作など、現場の最前線にい続けてきました。米GoogleやMeta本社から、自治体のSNS運用に関する専門家として招かれたこともありますが、いずれも「技術が変わるたびに、同じ種類の不安と議論が繰り返される」という感触でした。
つまり、今の「AIが全部やってくれるなら、プログラミング教育は不要では?」という問いは、初めて生まれた論争ではありません。プログラミングの将来が意味ないように感じる瞬間は、保護者の方にとって自然な反応です。ただ、私が30年以上見続けてきた景色から言うと、ここでいう“不要”の主語が何を指すのかを、少し丁寧に分けた方がよいと思います。

AIは「道具」であり「作者」ではない
AI(人工知能)は、人間が作った膨大なデータを材料に、次に来そうな言葉やコードを確率的に選び取る仕組みです。だからこそ、文章やプログラムの“型”を真似ることは驚くほど上手になりました。しかし、社会にまだ存在しない新しい価値を、ゼロから定義し、責任を持って世に出す作業は、最終的に人間の仕事です。
子どもたちがマインクラフトでワールドを設計するとき、面白いのは「正解の設計図」が外から与えられない点です。制約はありますが、何を作るか、どう遊ばせるか、どんな体験にするかは、子ども自身の想像力が主役になります。これはまさに、AIに置き換えが難しい「創造する力」そのものです。
AIは間違える——しかも自信満々に
ここで押さえておきたいのが、ハルシネーション(AIが事実でないことを、もっともらしく自信満々に出力してしまう現象)です。見た目が整っているほど、人は安心してしまいます。ところが現場では、その安心が一番危ないことがあります。
官公庁や金融に近い領域のシステム開発では、出典の確認、権限の境界、ログの取り方、例外処理、個人情報の扱い、運用時の責任の所在など、細部まで詰めないと前に進めません。AIの出力をそのまま貼り付けて“できた気”になると、後から火傷を負うのは必ず人間側です。だから私たちは、生成結果を鵜呑みにせず、検証の手順を積み重ねます。
AIが出力したコードの正しさを判断するには、変数の意味、分岐の意図、依存関係、セキュリティ上の落とし穴といった、プログラミングの基礎知識が不可欠です。基礎がないと、間違いに気づけません。気づけないということは、直せないということです。
バイブコーディングで「作れる」と「わかる」は全く別物
バイブコーディングとは、AIに自然言語で指示を出してコードを生成させながら進める開発スタイルのことです。小さな試作や個人利用の道具づくりでは、確かに以前より速く「動くもの」に辿り着ける時代になりました。ここは素直に認めた方がいいと思います。
ただ、現実のサービスでは、セキュリティ(攻撃されにくさや情報漏えい対策)、パフォーマンス(速度や負荷)、設計(将来の変更に耐える形)の判断が必要です。AIは候補を出せても、最後に責任を持って選ぶのは人間です。例え話で言えば、車が自動運転になっても、交通法規の理解や危険の見立てがゼロになるわけではありません。むしろ、補助が強いほど、人間側の判断力が問われる場面が増えます。
むしろAI時代だからこそプログラミング教育が重要な3つの理由
ここからは、プログラミング教育の必要性を、AI時代というキーワードで整理します。
理由1:AIを「使いこなす力」はプログラミング的思考から生まれる
AIへの指示(プロンプト)を良くするというのは、目的を明確にし、条件を並べ、例外を想定し、検証方法まで含めて言語化する作業です。これは、小さな処理を積み上げてプログラムを組み立てる思考と、構造がよく似ています。言い換えると、論理の組み立て方を体に入れておくほど、AIは強力な相棒になります。
理由2:AIの出力を「評価する力」が新しい必須スキルになった
AIは文章もコードも速く出します。だからこそ、正しいか、安全か、保守できるか、誰にどんな影響があるかを評価できる人材の価値が急激に高まっています。プログラミング教育は、この評価の土台を作る学びでもあります。
理由3:創造性と問題発見力は人間にしか育てられない
AIは与えられた枠の中で答えを出すことは得意ですが、「そもそも何が問題なのか」「何を作れば世界が少し良くなるのか」という問いの立て方は、人間の生活や社会との接点が深いほど力を増します。マイクラカップで子どもたちがワールドのテーマを考え、社会課題と結びつけて形にしていく過程は、まさに問いを立てて創る訓練です。第6回・第7回に沖縄代表として全国へ行き、第7回でTBS賞をいただいた経験からも痛感していますが、勝敗以前に、子どもたちの「考え方」が一段伸びる瞬間があります。
インターネット黎明期と今は同じ景色に見える
1993〜1994年、私がHTMLに触れ始めた頃、「ホームページなんて一般人には不要」と言われる空気がありました。今の「AIがプログラミングを代替するのでは」という話と、輪郭が重なって見えるのです。
技術は確かに進みます。でも、技術は常に“使いこなす人間”を前提に社会へ浸透してきました。黎明期からAI時代まで一気通貫で現場にいるからこそ言えるのは、変化の速さよりも、変わらない部分の方が教育として重要だという実感です。
結論:不要になるのはプログラミング教育ではなく「暗記型の学習」
子供のプログラミングがなぜ必要か、と聞かれたら私はこう答えます。不要になりつつあるのは、コードを丸暗記させるやり方です。一方で、「なぜそう動くのか」「どう設計すべきか」「何がリスクか」を考える力の価値は、むしろ上がっています。
沖縄県宜野湾市で運営しているプログラミングスクール「クロスウェーブ」がマインクラフトを軸に「自分で考えて作る」体験を重んじるのも、暗記ではなく思考と創造の回路を育てたいからです。教室の中で起きる小さな成功体験が、家での学び方や将来の進路を含めて、子どもの自信に変わっていくのを何度も見てきました。
まとめと保護者へのメッセージ
AIにプログラミングが完全に置き換わる、というより、プログラミングの周辺作業の形が変わる時代です。だからこそ、お子さんにプログラミングを学ばせることは、AIを使いこなす次世代の人材を育てることでもあります。不安になるのは自然です。ただ、学びの本丸は「言語」ではなく「考え方」と「責任を持って作る経験」にあります。
もしよろしければ、クロスウェーブでは無料体験で、お子さんの反応や教室の雰囲気を実際に見ていただけます。うちの子にプログラミングを学ばせて正解だった、と胸を張って言える材料が、そこに少しでもあると嬉しいです。
マイクラ部への参加方法
マイクラ部への参加を希望される方はLINEアカウントへ登録を頂くか、メールにて「webcrafts098@gmail.com」までご連絡をお願いします。
沖縄マイクラ部プログラミングスクール「クロスウェーブ」では、マインクラフトカップへの参加を目指す仲間を募集しています。子供たちへのプログラミング教育として「Python」「Scratch」「MakeCode」「JavaScript」「Unity」「Godot」などを指導しています。動画編集講座(Premiere Pro・DaVinci Resolve・CapCut)やHTML/CSSでのWeb制作講座も開催中です。
マイクラカップ参加希望の方へ
マイクラカップへの参加を希望される方は、人数把握のため以下のフォームからも申請をお願いします。申込時はマインクラフト教育版のライセンス費用が発生いたします。
開催地域
沖縄県宜野湾市
沖縄マイクラ部プログラミングスクール「クロスウェーブ」にて開催しています。
沖縄県うるま市
FMうるまにて開催しています。
FMうるま
沖縄マイクラ部について
沖縄マイクラ部は教室ではなく、親子の勉強会というスタイルで運営しています。保護者の方も一緒に参加していただけますので、お気軽にご参加ください。
お問い合わせ
お問い合わせはLINEオフィシャルアカウント、またはメール(webcrafts098@gmail.com)からお気軽にどうぞ。イベント情報は「開催イベント一覧」からご確認ください。