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Scratchでつくる Flappy Bird|小3以上向け・一人で完成できるていねい解説

2026 2/07
Blog プログラミング Scratch
Scratch
2026年2月7日
Scratchでつくる Flappy Bird|小3以上向け・一人で完成できるていねい解説

「ゲームを作ってみたいけど、どこから始めればいいんだろう?」 「Scratchは少し触ったことがあるけど、ちゃんと完成までいけるかな?」

そんな気持ちの小学校3年生以上のみなさんに向けて、Flappy Bird風ゲームの作り方を、順番に解説します。この記事の目標はシンプルです。最後まで進めて、1本のゲームを完成させること。そして「自分で作ったゲームが動くって楽しい」と感じることです。

目次

Flappy Birdってどんなゲーム?

Flappy Birdは、画面をタップして鳥を上に跳ねさせ、流れてくる土管のすき間をくぐるゲームです。操作はほぼ1ボタンだけ。シンプルなのに難しく、何回も挑戦したくなるタイプのゲームです。

この「1ボタンで遊べる」仕組みが、Scratch学習にとても向いています。ルールがわかりやすいので、プログラムと画面の変化を結びつけやすいからです。

なぜ最初のレッスンにFlappy Birdなの?

このゲームには、ゲームづくりの基本がぎゅっと入っています。

  • ジャンプ(上に動く)
  • 落下(重力で下に動く)
  • 回避(障害物を避ける)
  • 判定(当たったら失敗)
  • 繰り返し(何度でも再挑戦)

この5つが理解できると、横スクロールアクション、シューティング、ランゲームなど、別ジャンルにも応用できます。エンジニア歴30年の現場感覚でも、最初に「動き」と「判定」をセットで学べるこの題材は、かなり優秀です。

先に準備するもの

  1. Scratchで新しいプロジェクトを作る
  2. 鳥のスプライトを用意する(既存の鳥でも自作でもOK)
  3. 土管スプライトを1つ用意する(長方形でOK)
  4. 背景を空っぽにするか、空の背景にする

ポイントは「見た目に時間をかけすぎない」ことです。まずゲームとして動く状態を作って、そのあとでデザインを整えるほうがうまく進みます。

先に全体の仕組みをイメージしよう(ここが分かると迷いにくい)

作るゲームは、大きく言うとこの4つでできています。

  • 鳥:落ちる(重力)+押したら上がる(ジャンプ)
  • 土管:右から生まれて左へ流れる(クローンで分身)
  • 判定:土管や地面に当たったら止める(ゲームオーバー)
  • スコア:土管をうまく通れた回数を数える(できたら入れる)

「いま自分はどれを作っているのか」を見失うと、Scratchは急に難しく感じます。ここに戻って、どの部品を作っているか確認しながら進めてください。

レッツ・プログラミング

ここからは、実際のブロック構成を順番に作ります。
オススメは、ステップごとに必ず「緑の旗」を押してテストすることです。

ステップ1:鳥に重力をかける(自然に落ちる動き)

まずは「何もしないと落ちる」を作ります。

鳥スプライトで次のブロックをつなぎます。

  1. イベント → 「緑の旗が押されたとき」
  2. 動き → 「x座標を -100、y座標を 0 にする」
    (開始位置は好みでOK)
  3. 制御 → 「ずっと」
  4. 動き → 「y座標を -4 ずつ変える」

これで鳥は下に落ちます。

なぜこれで落ちるかというと、Scratchのy座標は「上がプラス・下がマイナス」だからです。毎フレーム少しずつマイナス方向へ動かすと、連続的な落下に見えます。

ステップ1の「意味」(ただ落ちるだけじゃない)

この「ずっと」のループは、ゲームの心臓です。ここに入れた処理は、ゲーム中ずっと動き続けます。
逆に言うと、ここが止まるとゲームも止まります。

もし動かなければ(ステップ1)

  • 鳥が落ちない → ずっと の中に「y座標を-4ずつ変える」が入っているか確認
  • 鳥が画面の外に一瞬で消える → -4 を -2 にして様子を見る(数値が大きすぎる)
  • 緑の旗で毎回スタート位置がズレる → 「x座標を…y座標を…にする」が入っているか確認

ステップ2:クリックでジャンプさせる

次に「押したら上に上がる」を作ります。

ここは「イベント」の単発ブロックではなく、ずっと の中でマウス入力をチェックする形にします。Scratch 3の標準ブロック構成で確実に動くやり方です。

鳥スプライトに、ステップ1とは別チェーンで追加します。

  1. イベント → 「緑の旗が押されたとき」
  2. 制御 → 「ずっと」
  3. 制御 → 「もし ~ なら」
  4. 条件に 調べる → 「マウスのボタンが押された」
  5. 動き → 「y座標を 12 ずつ変える」

これで、クリックしている間に上へ押し上がる力がかかります。

ステップ2の「意味」(重力に逆らう力を足している)

ステップ1で鳥はずっと下へ引っ張られています。
ステップ2は、その逆向きの力を「押している時だけ」足す、という考え方です。

プログラムにすると「ずっと見張って、押されていたら上へ動かす」になります。
ここが分かると、シューティングの連射、キャラのダッシュ、ジャンプ台などにも応用できます。

コツは、落下量とジャンプ量のバランスです。

  • 落下 -4 / ジャンプ 12 は標準
  • 難しくしたいなら落下を -5 や -6
  • やさしくしたいならジャンプを 14 や 16

「難しさ」はこの2つの数字でかなり調整できます。ここはゲームデザインの第一歩です。

クリックを「1回で1回だけ跳ねる」動きにしたいときは、待つ 0.1 秒 を もし の中に1つ入れてください。連打しやすくなり、挙動が安定します。

もし動かなければ(ステップ2)

  • 押しても上がらない → もし の条件が「マウスのボタンが押された」になっているか確認
  • ずっと上に上がり続ける → 待つ0.1秒 を入れる/ジャンプ値を 12→9 に下げる
  • 逆にほとんど跳ねない → ジャンプ値を 12→14 に上げる

ステップ3:土管を流す(クローン=分身)

土管は1つずつ手動で増やすのではなく、クローン(分身)を使って自動生成します。

ステップ3の「意味」(なぜ分身が必要なの?)

ゲームの障害物は、基本的に「同じものを何回も出す」ことで難しさを作ります。
土管を毎回手でコピーして置くのは大変ですし、ゲームになりません。

そこで、土管の本体は「分身を作る機械」になって、分身が右から出て左へ流れます。
そして画面の外に行ったら自分で消えます。これがクローンの気持ちいい使い方です。

まず、土管スプライトに以下を作ります。

  1. イベント → 「緑の旗が押されたとき」
  2. 見た目 → 「隠す」
  3. 制御 → 「ずっと」
  4. 制御 → 「1.5 秒待つ」
  5. 制御 → 「自分自身のクローンを作る」

次に、クローンの動きを作ります。

  1. 制御 → 「クローンされたとき」
  2. 動き → 「x座標を 260、y座標を (ランダムな数)」にする
    例:yは -60 から 120 までの乱数
  3. 見た目 → 「見せる」
  4. 制御 → 「ずっと」
  5. 動き → 「x座標を -6 ずつ変える」
  6. 制御 → 「もし x座標 < -260 なら」
  7. 制御 → 「このクローンを削除する」

これで右から左に土管が流れます。

なぜクローンを使うかというと、ゲームで「同じ敵や障害物を何回も出す」処理に向いているからです。分身は自動で生まれて、自動で消えるので、プログラムがすっきりします。

もし動かなければ(ステップ3)

  • 土管が1つも出ない → 本体側に「ずっと→待つ→クローンを作る」があるか確認
  • 出るけど動かない → クローン側に「ずっと→x座標を-6ずつ変える」があるか確認
  • 出るけど見えない → クローン側に「見せる」があるか/本体側で「隠す」だけになっていないか確認
  • 土管が増えすぎて重い → 待ち時間を 1.5→2.0 に増やす/スピードを -6→-5 にする

ステップ3.5:上下の土管を1セットにする方法

Flappy Birdらしくするには、「上土管」と「下土管」の2本が1セットで必要です。やり方は2つあります。

  • 方法A:土管スプライトを2つ作る(上用・下用)
  • 方法B:1つのスプライトに2つのコスチュームを作る

小3以上にオススメなのは方法Aです。見通しが良いからです。

例(方法A):

  • どかん上 と どかん下 の2スプライトを作る
  • どちらも「クローンされたとき」のxは同じ値にする
  • yは「上が高い位置」「下が低い位置」で固定
  • すき間は y の差で調整する

すき間をせまくすると難易度が上がり、広くすると遊びやすくなります。

ステップ3.5の「数値例」(まずはこのまま試して調整しよう)

ここは迷いやすいので、いったん「目安の数字」を置きます。Scratchは背景やスプライトの大きさで、ちょっとだけ座標が変わります。だから最初は「動くセット」を作ることを目標にして、あとで調整してください。

まずは方法A(上土管スプライト・下土管スプライトを2つ)で作る想定です。

  • 右から左へ流すxの数は、上も下も同じ(例:x=260、xが-6ずつ変わる、消えるx=-260)
  • 隙間(すきま)の大きさは、上土管のyと下土管のyの「差」で決まります

目安セット(かんたん):

  • 上土管(どかん上)のクローン開始y:120
  • 下土管(どかん下)のクローン開始y:-20

目安セット(ふつう):

  • 上土管(どかん上)のクローン開始y:105
  • 下土管(どかん下)のクローン開始y:-35

目安セット(むずかしい):

  • 上土管(どかん上)のクローン開始y:95
  • 下土管(どかん下)のクローン開始y:-45

調整のしかた(どこを動かせばいい?):

  • 隙間を「せまく」したい → 上土管のyを少し小さく(下へ)/下土管のyを少し大きく(上へ)
  • 隙間を「ひろく」したい → 逆に、上土管のyを少し大きく(上へ)/下土管のyを少し小さく(下へ)

コピペ完全版チェックリスト(つくる順番そのまま)

ここからは「とにかく迷わない」ための並び順です。コピペできるように、スプライトごとに手順を分けます。
「今どのスプライトを編集しているか」が合っているかだけ、都度チェックしながら進めてください。

① 鳥(Bird/Parrotなど)スプライトに作るもの

(A)重力で落ちる(ステップ1)

  • イベント:緑の旗が押されたとき
  • 動き:x座標を -100、y座標を 0 にする
  • 制御:ずっと
  • 動き:y座標を -4 ずつ変える

このブロックがしていること(解説):

  • 緑の旗で「スタート位置」を決める
  • ずっと の中で毎回少しずつ下へ動かす(それが“落下”に見えます)

(B)クリック(押している間)でジャンプ(ステップ2)

  • イベント:緑の旗が押されたとき
  • 制御:ずっと
  • 制御:もし ~ なら
    • 調べる:マウスのボタンが押されている
  • 動き:y座標を 12 ずつ変える

(必要なら安定させる)

  • もし の中に 待つ 0.1 秒

このブロックがしていること(解説):

  • 鳥は常に重力で下へ引っ張られている
  • そこへ「押している間だけ」上へ押し上げる力を足す
  • だから、押しっぱなしにすると上へ上がり続けます(短く1回にしたいなら 待つ 0.1 秒 が役立ちます)

(C)当たり判定で止める(ステップ4)

  • 制御:ずっと
  • 制御:もし ~ なら
    • センシング:(どかん上)に触れた
    • または センシング:(どかん下)に触れた
  • 制御:すべてを止める

このブロックがしていること(解説):

  • 毎フレーム「当たっているか」を見続ける
  • 当たった瞬間にゲーム全体を止めるので、失敗がはっきりします

(D)地面で止める(ステップ5)

  • 制御:ずっと
  • 制御:もし y座標 < -170 なら
  • 制御:すべてを止める

このブロックがしていること(解説):

  • 土管に当たらなくても「落下しすぎたら失敗」にします
  • yが-170より小さくなったら止める、というルールです
② 土管(どかん)スプライト(本体)に作るもの

土管スプライトは、方法A(上と下の2つ)なら「どかん上」と「どかん下」の両方で同じ型を作ります。
違うのは「クローン開始y」だけです。

(共通:本体側)

  • イベント:緑の旗が押されたとき
  • 見た目:隠す
  • 制御:ずっと
  • 制御:1.5 秒待つ
  • 制御:自分自身のクローンを作る

このブロックがしていること(解説):

  • 本体は見えないまま
  • 1.5秒ごとに分身(クローン)を生み出す役

(共通:クローン側の動き)

  • 制御:クローンされたとき
  • 動き:x座標を 260、y座標を固定する
    • 上土管(どかん上):y座標 120
    • 下土管(どかん下):y座標 -20
  • 見た目:見せる
  • 制御:ずっと
  • 動き:x座標を -6 ずつ変える
  • 制御:もし x座標 < -260 なら
  • 制御:このクローンを削除する
③ スコア用(ステップ6)

(A)スコア変数

  • 変数:スコア
  • イベント:緑の旗が押されたとき
    • スコアを 0 にする

(B)土管(本体 or クローン側)で加点

  • 「鳥より左に通過したら +1」する処理を入れます
  • うまく動かないときは、まず「得点済み」フラグを作って、同じ土管で何回も加点しないようにします

このブロックがしていること(解説):

  • スコアは「通れた証拠」
  • いつ加点するか(鳥の左を通過した瞬間)がゲームの気持ちよさになります

※スコアは後回しでもOKです。先に「遊べる」を完成させるのがいちばん大事です。

ここが一番つまずきやすい(上下がズレる問題)

上下を「同じxでそろえる」ことが最重要です。
これがズレると、すき間が急に狭くなったり、絶対に通れない配置になったりします。

一番簡単なコツは、どかん上 と どかん下 で「同じタイミングでクローンを作る」ことです。
土管の本体側(緑の旗→ずっと→待つ→クローンを作る)を、上と下にコピペして同じ数字にしておくとズレにくいです。

ステップ4:当たり判定でゲームオーバー

鳥スプライトに、ぶつかったら停止する処理を追加します。

  1. 制御 → 「ずっと」
  2. 制御 → 「もし ~ なら」
  3. 条件に センシング → 「(どかん上)に触れた」
    さらに または を使って「(どかん下)に触れた」も加える
  4. 制御 → 「すべてを止める」

これで衝突時にゲームオーバーになります。

ここで大事なのは、「判定は毎フレーム見続ける」ことです。
1回だけチェックだと、たまたま当たりを見逃すことがあります。ずっと の中で判定するのが基本です。

もし動かなければ(ステップ4)

  • 当たっても止まらない → 触れている相手の名前(どかん上/どかん下)が合っているか確認
  • まだ当たっていないのに止まる → 鳥のコスチュームの当たり判定が大きい可能性(見た目より大きい場合があります)。コスチュームの余白を減らすと改善します。

ステップ5:地面に落ちたら終わり

Flappy Birdでは地面に落ちても失敗です。鳥スプライトに追加します。

  1. 制御 → 「ずっと」
  2. 制御 → 「もし y座標 < -170 なら」
  3. 制御 → 「すべてを止める」

これで、土管に当たらなくても落下ミスで終わるようになります。

もし動かなければ(ステップ5)

  • すぐゲームオーバーになる → -170 が高すぎる可能性。数字を -200 などに下げて調整
  • 地面まで落ちても終わらない → ずっと の中に判定があるか確認

ステップ6:スコアを入れる

ゲームらしさを一気に上げるならスコア表示です。

  1. 変数 で「スコア」を作る(すべてのスプライト用)
  2. イベント → 「緑の旗が押されたとき」→ 「スコアを 0 にする」
  3. 土管クローン側で「鳥より左に通過したら +1」する

実装のシンプルな例:

  • 土管クローンごとに「得点済み」フラグ変数(クローン専用でも可)を持つ
  • もし x座標 < 鳥のx座標 かつ 得点済み=0 なら
  • スコアを 1 ずつ変える
  • 得点済みを 1 にする

少し難しいですが、ここまでできるとかなり本格的です。

ステップ6の「意味」(スコアは“通れた証拠”)

スコアは飾りではなく、ゲームの目的をはっきりさせる仕組みです。
「うまく避けた」ことを数字で見える化すると、自然ともう1回やりたくなります。

ここは難しければ後回しでもOKです。先に「遊べる」状態を完成させてから入れるほうが、成功率が上がります。

つまずきやすいポイントと解決法

1) 鳥が一瞬で落ちる

  • 落下量が大きすぎる可能性
    -4 から始めて調整しましょう。

2) 鳥が上に飛び続ける

  • クリック入力が長押し扱いになっている可能性
    もし <マウスのボタンが押された> の中に 待つ 0.1 秒 を入れてみてください。
  • ジャンプ値が大きすぎる可能性
    12 を 9 か 10 に下げると安定しやすいです。

3) 土管が出ない

  • 本体を「隠す」にして、クローン側で「見せる」を忘れていないか確認
  • クローン作成の間隔が長すぎないか確認
  • クローンされたとき のチェーンが、土管スプライト側に置かれているか確認

4) 当たり判定が効かない

  • 触れている相手が正しいスプライト名か確認
  • 判定ブロックが ずっと の中にあるか確認
  • 土管の当たり判定がゆるすぎる場合は、コスチュームを塗りつぶして輪郭を単純にすると判定しやすくなります。

5) スコアが増えすぎる

  • 同じ土管で何回も加点されている可能性
    「得点済み」フラグを使い、1本につき1回だけ加点するようにしてください。

6) 緑の旗を押しても動かない

  • どこかで すべてを止める したままになっている可能性があります。
    いったん全ブロックを見て、緑の旗が押されたとき から始まるチェーンが各スプライトにあるか確認してください。

デバッグのコツは「1つずつ確かめる」です。
全部を同時に直そうとすると迷子になります。プロの現場でも同じです。

エンジニアからの改造アイデア

完成したら、ぜひ改造して自分の作品にしてみてください。

  • 鳥の見た目を変える(コスチューム切り替えで羽ばたき表現)
  • 背景をスクロールさせる
  • 効果音を入れる
  • 一定スコアごとにスピードアップ
  • 最高記録を保存する

「動く」から「遊ばれる」へ進むには、難易度調整と見た目の工夫が効きます。
ここから先は、まさにゲームクリエイターの領域です。

まとめ

Flappy Bird風ゲームは、ジャンプ、落下、回避、当たり判定、スコアというゲームづくりのコアを学べる題材です。Scratchでここまで作れるようになると、次のゲーム制作にも自信がつきます。

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