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マイクラで理科実験!水とマグマの広がり方をプログラミングで検証する自由研究

2026 6/29
Blog プログラミング マインクラフト MakeCode
マインクラフト 自由研究
2026年6月29日
マイクラで理科実験!水とマグマの広がり方をプログラミングで検証する自由研究

「マイクラで自由研究って、本当に理科になるの?」

沖縄の保護者の方から、夏休み前にいちばんよくいただく質問のひとつです。お気持ち、よくわかります。マインクラフト(マイクラ)はゲームです。生き物の標本でもなく、本物の薬品でもなく、画面の中にあるブロックの世界です。これで「理科」と言えるのか。

ですが、私はエンジニア歴30年の立場から、はっきりお答えしています。マイクラは、立派な「シミュレーション環境」です。条件をきちんと設計し、観察し、考察すれば、研究の作法そのものは現実の理科実験と同じです。

今日ご紹介するテーマは、「マイクラで水とマグマの広がり方を、プログラミングで検証する自由研究」。対象は小5〜中学生。MakeCode(メイクコード)で実験条件を一定にそろえ、液体の流れ方を計測し、現実の水やマグマと何が同じで何が違うのかを考察します。

宜野湾のクロスウェーブで実際に教えている内容から、家庭でも再現できる手順としてまとめました。マイクラ×プログラミングの全体像は、MakeCodeコース詳細にもまとめてあります。

目次

1. ゲームの世界にも「法則」がある

マイクラの世界は、コンピューターのプログラムで動いています。ブロックの落下、明るさ、モンスターのスポーン、そして液体(水とマグマ)の広がり方も、すべてプログラムで決まったルールにしたがっています。

ここがまず大事なポイントです。マイクラは「自由」に見えて、内部はかっちりしたルールでできています。だから、同じ条件をそろえれば、何度実験しても同じ結果が出ます。これは現実の理科実験で求められる「再現性」と同じ性質です。

たとえば、現実の水を地面にこぼすと、地面のわずかな傾き、温度、表面張力、風の影響で、毎回違う形になります。それに対してマイクラの水は、決まったルールで流れます。そのルールを子どもの目で観察し、「なぜそうなっているのか」を考える。これが今回の自由研究の核です。

教室では、子どもたちにこう伝えています。「マイクラの中の物理は、簡単すぎるからつまらないのではなく、簡単だからこそルールが見える」。現実の物理は変数が多すぎて、小学生には全部追いきれません。マイクラはルールがシンプルなぶん、観察と考察に集中できます。

2. 実験の準備:条件をそろえるためのプログラミング

理科実験で大切なのは、「条件を一定にする」ことです。長さの違う物差しで測れば結果が変わります。違う高さから水を流せば結果が変わります。だから、まずは条件をプログラミングで固定するところから始めます。

ここがマイクラ×プログラミング自由研究の真骨頂です。手で1つずつブロックを置くと、毎回少しずつ高さや位置がずれます。MakeCodeでエージェントに作業をさせれば、何度でも同じ条件を作れます。

2-1. 用意するもの

  • マインクラフト(マイクラ)教育版(Minecraft Education)またはBE版(統合版)
  • MakeCode(教育版に標準。BE版は「コードビルダー」から起動)
  • フラットワールド(平らな世界。難易度ピースフル)
  • ノートとえんぴつ(結果を記録するため)

2-2. ワールドの初期設定

新しいフラットワールドを作ります。難易度はピースフル、コマンドは有効、クリエイティブモードにしておきます。実験の途中でモンスターが出ると条件が変わってしまうので、ピースフル固定が大切です。

2-3. 実験フィールドを作る関数

MakeCodeで、毎回同じ実験フィールドを作る関数を用意します。教室では「ステージリセット関数」と呼んでいます。

関数:jikken_field_reset
  繰り返し 1 回:
    プレイヤーの足元の位置を起点にする
    11×11 の平らなフィールドを「滑らかな石」で作る
    フィールドの中央を実験開始点として座標を保存する

実装の細部はバージョンによって書き方が変わりますが、考え方は次の3つです。

  1. 毎回同じサイズの平面を作る
  2. 中央点を「実験の起点」として固定する
  3. まわりに余白を作って、ほかの地形の影響を消す

11×11マスを推奨しているのは、水源1個を中央に置いて、東西南北それぞれ5マスずつ広がる余裕があるからです。マグマは広がりがそこまで大きくないので、もっと小さくてもかまいません。

2-4. 計測のしるしを置く

実験フィールドの中央点から、東西南北それぞれ1マスごとに、目印として色付きブロック(例:赤いウールやガラス)を埋め込みます。これも関数にしておくと、何回繰り返しても同じ計測線になります。

関数:keisoku_line
  繰り返し 4 方向:
    繰り返し 8 マス:
      足元のブロックを 赤いガラス に置きかえる
      まえ に 1 マス進む
    出発点に戻る
    右に 90度 向く

これで、中央から放射状に「8マス分の物差し」ができあがります。水源やマグマ源を中央に置いたら、何マス目まで広がったかを目で数えるだけです。

ここまで来ると、もう半分は研究が終わったようなものです。条件設計こそが、研究の質を決めます。

3. 実験1:水の広がり方

準備ができたら、いよいよ実験です。

3-1. 実験の予想を書く

ここが大事です。やる前に、自分なりの予想をノートに書きます。理科のレポートで「予想」のページが評価されるのは、結果ではなく「考えた跡」が見えるからです。

たとえば、こんな予想を立ててみてください。

  • 水源1個から、東西南北すべてに同じ距離だけ広がるはず
  • 距離は5マスくらいまでではないか
  • 段差があると、流れる距離が変わるかもしれない

予想は当たらなくて大丈夫です。むしろ「予想と違った」結果のほうが、考察が深くなります。

3-2. 平面での実験

中央に水バケツで水源を1個置きます。すると、水が東西南北に広がっていきます。流れが落ち着いたら、計測線を見て「何マス目まで届いたか」をノートに書きます。

このとき、東西南北4方向ぜんぶの記録を取ってください。「東は5マス、北は5マス、西は4マス、南は4マス」のようにバラついた場合は、フィールドが完全に平らになっていなかった可能性があります。観察の精度を上げるためにも、繰り返し測ります。

マイクラの仕様上、平面での水の広がりはおおむね決まった距離になります。教室の生徒に毎回計測させると、きれいに同じ結果が出ます。これが「再現性」です。

3-3. 段差での実験

平面ができたら、次は段差です。中央点の手前に1段の段差を作ります。水源を上から流すと、滝のように下に落ちながら、さらに広がります。

ここで何マスまで広がるかを再計測します。平面のときと比べて、距離は伸びるでしょうか、それとも変わらないでしょうか。

教室では、ここで子どもたちが必ず驚きます。「あれ、なんか広がり方違う」「上から落ちると広い」。この驚きこそ、自由研究のクライマックスです。

3-4. 高さを変えた実験

段差をさらに2段、3段と高くしてみます。水源を高い位置から落とすと、広がり方や届く範囲がどう変わるか。記録を取り続けます。

実験の数値は、必ず表にまとめます。

水の広がり計測結果(例)
段差なし(平面):約5マス
段差1段:    約□マス
段差2段:    約□マス
段差3段:    約□マス

数字の□には、自分が観察した結果を書き込みます。

4. 実験2:マグマの広がり方

水と同じ手順を、マグマ(溶岩)に置き換えてやります。条件はぜんぶ同じです。

4-1. 平面でのマグマ

中央にマグマバケツでマグマ源を1個置きます。マグマも広がりますが、水とはまったく違う動きをします。

注意点が2つあります。1つ目は、必ず難易度ピースフルにしておくこと。2つ目は、実験フィールドのまわりに「滑らかな石」など燃えにくいブロックを使うこと。木のブロックを使うと火事になり、フィールドが壊れて条件がずれます。

マグマの広がりは、水よりずいぶん小さいことに気づくはずです。これは現実のマグマの粘り(粘度)に近い性質を、マイクラのプログラムが反映している部分です。

4-2. 段差でのマグマ

水と同じく、段差をつけて流します。水との違いを表にまとめます。

マグマの広がり計測結果(例)
段差なし(平面):約□マス
段差1段:    約□マス
段差2段:    約□マス
段差3段:    約□マス

4-3. ネザーでのマグマ(応用)

中学生で時間に余裕があれば、ネザー(地獄世界)でも同じ実験をします。ネザーのマグマは、オーバーワールドのマグマよりずっと遠くまで広がります。これはマイクラの内部設定で、明確にルールが分けられています。

「同じマグマなのに、世界が違うと広がり方が違う」。これに気づくと、研究としての厚みが一段上がります。

5. 考察:プログラムの設定と現実の物理法則を比べる

ここからが、自由研究のいちばんおもしろいパートです。実験で得た数字を、現実の物理法則と比べて考察します。

5-1. マイクラの液体は「離散的」である

現実の水は、コップの中で連続して動きます。1mm単位、0.1mm単位、もっと細かく。これを「連続的」と言います。

マイクラの水は、ブロック単位で広がります。1マス、2マス、3マスと、段階的にしか変化しません。これを「離散的」と言います。マイクラの液体は、内部で「液体レベル」という数値(最大8段階)を持っていて、1マス進むごとにレベルが下がる仕組みです。

これは現実の物理を「コンピューターで近似的に表現する」ための工夫です。本物の物理計算をリアルタイムで全部やったら、コンピューターが追いつきません。だから、「シミュレーションは現実の縮図ではあるが、現実そのものではない」という大事な事実が見えてきます。

5-2. 水とマグマの違いは「粘度」を表現したもの

現実の世界で、水とマグマ(溶岩)はまったく粘り気が違います。水はサラサラ、マグマはドロドロ。マイクラのプログラムでは、これを「広がるマス数」と「流れる速さ」の数値で表現しています。

子どもの言葉で書くなら、こうです。

「マイクラの水は、レベルが下がるのが遅いから遠くまで届く。マグマは、レベルが下がるのが速いから少ししか届かない。これは現実の水とマグマの粘り気の違いを、数字に置きかえたものなんだと思う」

レポートにこう書ければ、立派な考察です。

5-3. 段差で広がりが変わる理由

平面での流れと段差での流れの違いは、現実でも観察できます。滝の下が広がっているのは、水が落下のエネルギーで横にはね返るからです。

マイクラの場合、これは「落下した水源が新しい流れの起点になる」という内部ルールで再現されています。物理計算ではなく、プログラムのルールで近似しているわけです。

ここで気づいてほしいのは、「現実をプログラムで再現するときの設計思想」です。エンジニアは、何でも完璧に物理計算するのではなく、「重要な部分だけルール化する」という選択をします。マイクラの開発者も、まさにこの選択をしています。

5-4. ネザーのマグマと「世界ごとのパラメーター」

ネザーのマグマがオーバーワールドより遠くまで広がるのは、内部で「世界ごとに液体の振る舞いを変える」というルールが用意されているからです。

これは、現実の物理ではありえません。地球の水は、どこの地域でも同じ性質を持っています。マイクラは、ゲームとしての面白さを優先して、世界ごとに違うルールを設計したわけです。

「マイクラは現実をなぞっているのではなく、面白さのために現実をアレンジしている」。この視点を持てると、ゲームを「ただ遊ぶ」から「設計を読み解く」段階に進めます。これは、将来エンジニアを目指す子にとって、すばらしい入口です。

6. レポートの書き方:4段構成を使う

理科の自由研究レポートで評価されるのは、「思考のプロセス」です。結果だけ書いても、先生には伝わりません。次の4段構成を使ってまとめます。

6-1. 予想(仮説)

「○○だと思う。理由は△△だから」と書きます。今回の例だと、

「水源1個から、東西南北すべて同じ距離まで広がると思う。理由は、平らな面ではどの方向にも同じ条件だから」

予想は外れて構いません。理科のプロでも、予想は外れます。

6-2. 実験(方法)

実験の手順を、誰が読んでも再現できるように書きます。

  • 使ったツール(マイクラ教育版/MakeCode/フラットワールド)
  • 条件をそろえるためにやったこと(実験フィールドのサイズ、段差の高さ)
  • 計測の方法(中央から東西南北の何マスまで広がったかを目視で数えた)

ここでMakeCodeのスクリーンショットを貼ると、研究としての見栄えが一気に上がります。Windowsなら Win + Shift + S、Macなら Cmd + Shift + 4 で部分スクリーンショットが撮れます。

6-3. 結果

実験で得た数字を、表とグラフでまとめます。

  • 表:水とマグマそれぞれ、段差ごとの広がりマス数
  • グラフ:横軸を段差、縦軸を広がりマス数にした折れ線グラフ

数値は素直に書きます。きれいに揃わなかったら、その「揃わなさ」も書きます。

6-4. 考察

実験結果を見て、自分が何を考えたかを書きます。今回の研究では、次のような考察が書けます。

  • 水とマグマで広がり方が違ったのは、プログラム上で粘り気を数字で再現しているからではないか
  • 段差を高くすると広がりが増えたのは、落下した液体が新しい源として広がるルールがあるのではないか
  • マイクラのシミュレーションは、現実そのものではなく、現実をシンプルなルールに置き換えたものだとわかった
  • 同じマグマでもネザーとオーバーワールドで違うのは、現実にはない「世界ごとの設定」がプログラムにあるから

「わかったこと」だけでなく、「これからもっと調べたいこと」も書きます。たとえば、

  • 水とマグマがぶつかったとき(黒曜石になる)の境界の条件はどうなっているか
  • 海の中(水中バイオーム)の水と、地上の水で何か違いがあるのか
  • ストレージブロック(鍾乳石など)で水が変質する仕組み

このように「次の問い」が書けるレポートは、評価が一段上がります。

7. 教室で教えている「実験ノート」のコツ

宜野湾のクロスウェーブでは、生徒たちに「実験ノート」を必ずつけさせています。エンジニアの世界でも、実験ノートは仕事の質を決める基本ツールです。コツを3つ共有します。

  1. 1ページに1実験
    1つの実験を1ページにまとめます。混ぜ書きすると、あとで読み返せません。日付、時刻、条件、結果をひとまとまりにします。
  2. 数字には必ず単位をつける
    「広がり5」ではなく「広がり5マス」、「高さ2」ではなく「高さ2マス」と書きます。単位のない数字は、データとしてあやふやです。
  3. 失敗もそのまま書く
    うまく動かなかった実験、予想と違った結果、観察ミスも、消さずに書き残します。プロのエンジニアの実験ノートは、失敗の記録のほうが多いくらいです。失敗から学ぶ姿勢こそ、評価されます。

このノート文化は、マイクラカップで全国大会・TBS賞を取るまでの過程でも、生徒たちを支えてきた習慣です。プレゼン動画にまとめる段階で、実験ノートが「物語」として活きてきます。プレゼン動画の作り方に興味があるお子さんは、動画編集・YouTuber育成もあわせてご覧ください。

8. 沖縄マイクラ部から、保護者の方へ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

マイクラを「ただのゲーム」と切り捨てるのは、かんたんです。けれど、シミュレーションとして見直したとき、子どもたちにとってこれほど安全に「研究の作法」を体験できる環境は、なかなかありません。本物の薬品もいりません。火事の心配もありません。何度失敗しても、ボタン1つでやり直しできます。

理科の自由研究は、結果を出すための作業ではなく、「考える練習」をする時間です。マイクラなら、その練習に必要な「条件の固定」「再現性」「観察」「考察」を、楽しみながら何度でも繰り返せます。

教室では、こうした研究マインドを、マインクラフト(マイクラ)、ロブロックス(Roblox)のLua(ルア)、Python、Scratch、AI活用など、いろいろな入口から育てています。お子さんが「マイクラの自由研究が面白かった」と感じたら、次のステップとして本格的なプログラミング学習を考えてみてください。

各コースの入口は次の通りです。

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  • マインクラフト ワールド制作なら沖縄マイクラ部|全国大会出場の実績あり
  • Scratch(スクラッチ)プログラミング教室
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教室の場所と雰囲気は、沖縄マイクラ部についてと教室へのアクセスで確認できます。サイト全体の入口は沖縄のマインクラフト・プログラミング教室 クロスウェーブです。私の経歴はすずきたかまさ(鈴木孝昌)プロフィール ― 沖縄マイクラ部・クロスウェーブ代表にまとめています。

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