
「クラスLINEで外された」「学校に相談したのに『様子を見ます』で終わった」「スマホを持たせたいけど、いじめや危ない人とのつながりが怖い」——そんな悩みを抱える保護者の方へ。学校の先生、教育委員会、PTA、教育支援の担当の方も、同じ机に置いて読んでください。
この記事は、ネットいじめ・クラスLINE・スマホ・学校配布端末・生成AI・オンラインゲームまわりを、一つの決定版としてまとめたものです。2026年時点の国の統計、自治体の公表、裁判所の判決、主要紙の取材報道を出典つきで並べ、事例ごとに「その後どうなったのか」(調査の結論、裁判、処分)までたどります。法律の地図、保護者の今日の手順と一週間の動き方、学校へ持っていくチェックリスト、学校の初動、沖縄の数字と窓口に加え、傷つく前の予防、傷ついたあとの回復、学校に行きづらいときの学びの続け方まで、必要なときに節だけ開いても使える構成にしています。
沖縄マイクラ部 プログラミングスクール「クロスウェーブ」は、プログラミングと作品づくりの教室です。心の治療や、今夜の危機の専門相談窓口としては、教室は開いていません。いま身が危ない・話を聞いてほしい夜は、本文の公的な相談窓口へお願いします。一方で、不登校や登校しぶりの子の保護者、関連機関から「平日の昼に学べる場所はあるか」「創作なら通えそうか」という相談は、実際に届いています。学びの場の話と、治療・危機対応は、入口を分けて書いています。アカウントを持っていない子が巻き込まれる話は LINEを使っていない子も、ネットのいじめに遭うことがある に、使う側の線引きは SNSの危険を防ぐ子供向け教育 に分けています。
結論を先に書きます。
- 問題の中心は「スマホそのもの」ではなく、「大人から見えない閉じた場所で、子どもが一人で抱え込む状況」です。心に深い傷が残ってから動くより、兆候の段階で安全とつながりを先に置く方が、子どもにとって楽です。
- 実際の事例を追うと、学校が「いじめではない」と扱った、記録が残っていなかった、調査に何年もかかった、というケースが続いています。学校が適切に動くことを前提にせず、保護者が「何を要求し、動かなければ次にどこへ行くか」を知っておくことが、子どもを守る現実的な方法です。
- 予防では、禁止か放任かではなく、「仕組みを知って自分で判断できる力」と「困ったときに大人へつながる道」の両方をつくることが大切です。
- 傷ついたあとは、調査の結論より先に、眠れる場所・責められない関係・二次被害を止めることを置きます。心の専門は、スクールカウンセラー、医療機関、公的窓口が担います。
- 学校に行きづらくなっても、学びは止めなくてよいです。在籍校の学習保障、教育支援センター、民間の居場所、創作の教室を、役割を分けてつなぎます。調査の結論を待つ間も、子どもの生活は続きます。明日の安全と学習保障は、調査と並行して求めます。
この記事の使い方(読者別)
| いまの状況 | 先に読む節 |
|---|---|
| 今夜・明日が危ない | 「保護者の実践ガイド:トラブルが起きたとき」→「相談窓口の一覧」 |
| まだ傷が浅いうちに止めたい・予防したい | 「傷つく前に防ぐ」→「トラブルを防ぐために」 |
| 子どもが傷ついた・眠れない・学校が怖い | 「傷ついた子を癒す」→相談窓口→重大事態 |
| 学校に行けなくなった・学びを続けたい | 「学校に行きづらいときの学び」→沖縄の居場所リンク |
| 学校に相談したが止まっている | 「学校の返答には、こう確認する」→「動かなければ上に上げる」→重大事態 |
| わが子が加害・傍観と言われた | 「わが子が加害側・傍観者だったとき」 |
| 学校・教育委員会・関連機関の担当 | 「学校の実践ガイド」→「法律の地図」→「学びの続け方」 |
| 沖縄の数字と窓口を知りたい | 「沖縄の状況」→相談窓口 |
| 面談の前に持ち物を揃えたい | 「保護者が学校に持っていくチェックリスト」→メールひな形 |
| これから何日で動くか知りたい | 「一週間の動き方」→よくある質問 |
調査の範囲は、文部科学省・警察庁・自治体の公表資料、裁判所が公開する判決、主要紙の取材報道です。全国の全事件を網羅した一覧からは外し、出典を追える事例に絞っています。被害画像や侮辱の文言、命に関わる細部は、興味本位では再現を控えます。いじめの認定、学校の法的責任、心身の被害との因果関係は、それぞれ別の判断として扱います。数字や窓口は変わるので、リンク先の公式ページを都度開いてください。確認日は2026年10月28日です。
数字で見る2026年の現状
ネットいじめは過去最多
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、令和6年度(2024年度)のいじめの認知件数は小・中・高・特別支援学校の合計で769,022件。4年連続で過去最多を更新しました(調査結果の概要、教育委員会月報掲載の解説)。
そのうち「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」、いわゆるネットいじめは27,365件。前年度の24,678件から2,687件増え、こちらも過去最多です。総認知件数に占める割合は3.6%です。文科省は、SNS上のいじめは外部から見えにくく、学校が認知しきれていない可能性がある、と指摘しています。GIGAスクール構想のもと、1人1台端末を使ったいじめにも留意が必要、とも書いています。
重大事態の発生件数は1,404件(前年度1,306件から増加)で、過去最多です。1号(生命・心身・財産)768件、2号(不登校)896件と、いずれも増えています。解消率は76.1%で、前年度よりやや下がっています。文科省は、SNS上のいじめなど見えづらく解消確認が難しい事案や、年明け以降に発生して「3か月」を経過しない事案、安易に解消とせず丁寧に取り組む傾向などを背景に挙げています。
発見のきっかけは「アンケートなど学校の取組」が約半数、本人からの訴えが約2割、保護者からの訴えが約1割強です。いじめられた子の相談先は「学級担任」が8割超——だからこそ、担任一人で抱え込ませない組織対応が、国の通知でも繰り返し求められています。
SNSがきっかけの犯罪被害
警察庁の統計をまとめた自治体資料などによると、SNSに起因する事犯の被害に遭った18歳未満は、令和7年(2025年)で1,566人でした(例:兵庫県警資料)。報道では、2025年の小学生の被害が過去10年で最多水準に達した、とも伝えられています。接点はInstagramやX、TikTokが多く、子どものプロフィールや日常投稿、「友達募集」などが入り口になりやすい、という整理が繰り返されています。フィルタリング未設定の被害が多い、という指摘も自治体資料にあります。最新の全国数字は、警察庁・各都道府県警察の公表を都度確認してください。
スマホを持つ年齢は下がり、利用時間は長い
自治体資料の引用では、令和7年には11歳で3割以上、12歳で5割以上の子どもが自分専用のスマホを使う、との整理もあります。青少年のインターネット利用環境の全国調査は、こども家庭庁 で公開されています。平日のネット利用時間が長い学年ほど、知らない人とのやりとりや生活リズムの乱れと重なりやすい、という指摘が各地の調査で出ています。
法律の地図(定義・重大事態・解消・警察)
ここを先に押さえると、学校への要求が「お願い」から「確認できる要求」に変わります。
いじめの定義(インターネットを含む)
いじめ防止対策推進法は、いじめを、一定の人的関係にあるほかの児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、対象の子が心身の苦痛を感じているもの、と定義しています。出典は e-Gov です。クラスLINEの排除、本人不在の悪口、学校端末のチャット、生成AIで加工した画像の共有も、この定義の対象になり得ます。場所は学校の内外を問いません。
重大事態(1号と2号)と保護者の申立て
重大事態調査ガイドライン(令和6年8月改訂) は、次を重大事態とします。
- 1号:いじめにより、生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあるとき
- 2号:いじめにより、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあるとき
「相当の期間」の目安は年間30日です。連続して休んでいる場合は、30日を待たずに動くことが求められます。保護者から「いじめにより重大な被害が生じた」という申立てがあったとき(「いじめ」という言葉を使わない申立ても含む)、学校がその時点で「重大事態とはいえない」と考えていても、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる、と書いてあります。口頭でもよく、書面がないことを理由に対応を遅らせてはならない、ともあります。重大事態に当たらないことが明らかである、と言うには、事実が確認できなかっただけでは足りず、起こり得ないことを客観的・合理的な資料で説明する必要があります。
調査の目的は、民事・刑事・行政上の責任追及や争訟対応を直接の目的とするものではなく、当該事態への対処と再発防止です。それでも、調査を先送りする裁量がある、という読み方は、さいたま地裁判決の趣旨と合いません。
いじめの「解消」は、謝罪だけでは足りない
文科省の 警察との連携通知 は、いじめは単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない、と明記しています。基本方針上の解消の考え方は、おおむね次の二つを満たすことです。
- いじめに係る行為が止んでいる状態が相当の期間(目安3か月)続いていること
- 被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないこと(本人・保護者への面談等で確認)
「謝ったから終わり」「お互い様で終わり」は、この基準から外れます。
警察へつなぐ判断
同通知は、犯罪行為として取り扱われるべきいじめは、直ちに警察へ相談・通報し援助を求めるよう学校に求めています。判断に迷う場合も相談してよい、としています。性的画像の拡散、暴力動画、脅迫、金銭要求、なりすましによる重大な名誉侵害などは、学校の中だけで止めようとしないでください。保護者が直接警察に相談することもできます。
クラスLINE・グループLINEで起きていること
週1回以上LINEを使う子は、小学高学年で約3割、中学生で約8割近く、という自治体資料もあります。グループチャットで問題が起きた経験がある、と答える中学生も少なくありません。報道や学校資料から、繰り返し起きているパターンを整理します。
グループ外しと裏グループ
特定の子をグループから退会させる、あるいはその子だけを入れない「裏グループ」をつくって、本人のいないところで悪口を言うパターンです。後述の大阪府門真市の事案では、本人が入っていないLINEグループでの中傷も、第三者委員会がいじめと認定しています。川口市のサッカー部では、LINEグループからの排除が判決の経緯にも出てきます。
既読・未読・返信時間をめぐる圧力
「既読なのに返事をしないのは失礼」と責める、逆に特定の子の発言にだけ反応しない、という形です。通知の連打や、夜中まで手放せない不安とセットで起きやすいです。
スクショによる晒しと拡散
個別に送ったメッセージがスクリーンショットされ、別のグループや他の学年にまで回されます。「グループに入るには、対象の子とのやりとりのスクショを共有しなければならない」という生徒の証言が報じられたこともあります。
画像の撮影と拡散
同級生の写真や、着替え中などの画像がグループに貼られ、外部へ広がるケースです。性的な画像の場合、撮った側・送った側・持っている側が、児童ポルノ禁止法や性的姿態撮影等処罰法の対象になる可能性があります。「回ってきただけ」「ふざけただけ」では済みません。福岡県立高校の重大事態公表でも、撮影とLINE拡散が認定されています。
文字だけの誤解が一気にふくらむ
表情や声のトーンが伝わらないため、冗談が悪口に受け取られ、言い合いが激しくなります。大阪市の報告書も、SNSの匿名性・拡散性・時間場所を選ばない攻撃・加熱しやすさを整理しています。
なぜ大人は気づけないのか
やりとりを見られる子と見られない子が混在していること、鍵アカウント・裏アカウント・消えるストーリーに移ること、学校配布端末のチャットでも共通パスワードなど管理の穴があること——これらが、学校が事実をつかみにくい理由として、研修資料や重大事態の報告書で繰り返し指摘されています。
学年別の見え方(目安)
| 学年の目安 | 起きやすいこと | 大人が先に見ること |
|---|---|---|
| 小学低〜中学年 | 学校端末・ゲームチャット、写真の無断共有、知らない人とのフレンド | 端末の共通パスワード、フレンド申請、課金、フィルタリング |
| 小学高学年 | クラスLINE外し、スクショ晒し、既読圧力 | グループ参加の有無、通知の時間帯、食欲・睡眠・登校前の様子 |
| 中学生 | 裏グループ、なりすまし、性的画像・ディープフェイク、長時間利用 | 本人不在のグループ、画像の転送、自傷のサイン、不登校の芽 |
| 高校生 | SNS中傷、部活LINE、動画拡散、闇バイトの誘い | 投稿の削除依頼、警察判断、進路・成績への影響、契約者としての保護者責任 |
年齢で線を引き切れるものではありません。低学年でもディープフェイク被害があり、高校生でも「ふざけ」の撮影が書類送検につながっています。
よくある誤解
| 誤解 | 事実に近い整理 |
|---|---|
| LINEを持たせていなければ安全 | ほかの子の画面で写真や噂が回る。学校端末でも起きる |
| 学校の外だから学校は関与しない | 法律はインターネットを含み、内外を問わない。国の通知も安全を優先 |
| 証拠がなければ動けない | 生活への影響・時系列・学校の記録も材料。重大事態は「疑い」で動く |
| 相手が否定すれば終わり | 否定がある前提で、客観記録と個別聴き取りを求める |
| 人数が多い側が正しい | 多対一ではいじめを想定する(神奈川県概要の提言) |
| 謝罪すれば解消 | 行為が止み、本人が苦痛を感じていないことの確認が必要 |
| 子ども同士だから警察は大げさ | 画像・暴力・脅迫は犯罪として扱われうる。文科省も警察連携を求めている |
| 全部禁止すれば解決する | 隠れて使う・端末で起きる・知らない人とつながる経路は残る。仕組みの理解と大人への道が必要 |
実際に起きた事例と、その後どうなったか
被害を受けたお子さんやご家族のことを考え、個人名や細かい描写は避けています。各事例の「その後」は、記事執筆時点(2026年10月)で確認できた公表・報道にもとづきます。一次資料と報道を区別します。
SNS・LINE・端末でのいじめが重大事態になった事例
大阪府門真市:インスタとLINEグループでの中傷(2022年)
何が起きたか:2022年2月、中学3年の男子生徒が自ら命を絶ちました。インスタグラムでの匿名の中傷、本人が入っていないLINEグループでの中傷などが報じられています。母親は何度も学校に相談していました。
その後:市の第三者委員会は、SNSやLINEグループでの中傷を含む62件のいじめを認定し、いじめと自殺の因果関係を認めました。学校が母親の相談をいじめとして扱わず、生徒の孤立感を深めたとも指摘しています。報告書は2024年に公表され、教育長らが謝罪したと報じられています。警察は事件化が難しいと判断し、遺族は2024年8月、加害生徒らと市を相手に損害賠償を求めて提訴。2025年2月に裁判が始まった、との報道があります。
この事例が示すこと:匿名の投稿でも、本人が見ていないグループでのやりとりでも、いじめと認定されうること。刑事事件にならなくても、加害生徒個人が民事で責任を問われうることです。
東京都町田市:学校のタブレットのチャットでのいじめ(2020年)
何が起きたか:2020年11月、小学6年の女子児童が自ら命を絶ちました。学校が配ったタブレットのチャットで中傷が続いていたと報じられ、IDは出席番号、パスワードは全員共通で、なりすましが容易な状態だった、との指摘があります。
その後:2024年2月、市の調査委員会はタブレットでの中傷などを複数のいじめと認定し、学校の対応も一因になったとしました。一方で、自殺の原因は「複合的で特定できない」と結論づけた、と報じられています。遺族は再調査を求めましたが市教委は再調査しない方針を示し、遺族は市に損害賠償を求めて提訴しています。各地の教育委員会は、端末のパスワード管理の徹底を通知しました。
この事例が示すこと:スマホを持たせていなくても、学校の端末で同じことが起きること。いじめが認定されても、自殺との因果関係の判断は分かれることです。
北海道旭川市:中学2年の女子生徒が亡くなった事案(2021年)
何が起きたか:2021年3月、中学2年の女子生徒が亡くなりました。その前から深刻ないじめを受けていたと報じられました。
その後:2022年9月、市教委の第三者委員会はいじめを認定し、教育委員会の重大事態の認知の遅れなどを指摘しましたが、自殺との因果関係は認めませんでした。市長のもとでの再調査は2024年、いじめが自殺の「主要な原因」だった可能性が高いと結論を改めました。遺族は2025年に市へ損害賠償を求めて提訴し、報道によると旭川地裁の勧告を経て2026年に和解が成立しました。
この事例が示すこと:最初の調査の結論が、再調査で覆ることがある。結論が出るまでに長い年月がかかることです。
神戸市・須磨学園高校:SNSでの中傷(2022年)
何が起きたか:2022年10月、生徒が同級生からSNS上で中傷を受けました。
その後:学校は当初「SNSトラブル」として対応しましたが、調査委員会がいじめと認定しました。学校側は会見で「事実と異なる点がある」と反論し、報告書の一部修正を申し立てた、との報道・学校法人の経過報告があります。
この事例が示すこと:「トラブル」と呼ぶか「いじめ」と呼ぶかで、学校の対応は大きく変わることです。
埼玉県川口市:部活のLINE外しと重大事態調査(2015年〜/さいたま地裁2021年12月15日)
何が起きたか:市立中学のサッカー部に入った男子生徒が、部のグループLINEから一人だけ外されました。その後の不登校や自傷、掲示板での中傷なども報じられています。
その後:市の調査委員会が後にいじめを認定。さいたま地裁判決 は、重大事態の調査を怠ったことや校長らの発言などを職務上の義務違反とし、市に55万円の賠償を命じました。報道によると市は控訴を断念しています。掲示板の発信者情報開示では、契約者が同じ学校の生徒の保護者だった、との報道もあります。
この事例が示すこと:重大事態の調査をしないこと自体が違法と判断されうること。匿名の書き込みでも手続きで特定が進むこと。加害が子どもだけでなく保護者に及ぶこともあることです。
大阪市立中学校:なりすましとグループLINE(報告書2024年10月8日)
大阪市第三者委員会の調査報告書 は、当時中学1年の外国籍男子生徒について、いじめ12件を認定しました。命令口調の発言、グループLINEでのからかい・荒らし、Instagramでのなりすましと女子生徒へのメッセージ送信(わいせつな画像を含む)などです。PTSD等の診断と不登校、「死にたい」と思うまで追い詰められたとの指摘、外国籍の子に対する差別にも該当し得るとの分析もあります。本人が言い返したり蹴り返したりした場面があっても、先行するからかいとその後の反応は時系列で分けて扱われています。
福岡県立高校:グループLINEでの誹謗(発生:令和6年/県決定:2026年9月15日)
福岡県の発表 によると、加害生徒6名が被害生徒の言動などを誹謗する内容をグループLINEでやり取りし、それを見た被害生徒がショックを受けるなどの事案がありました。学校側が重大事態と認定して調査し、保護者が再調査を求めたあと、県の再調査委員会は再調査の必要はないと答申し、県も再調査しないと決定しました。学校対応への付言を当該校・県内校へ周知する、としています。
福岡県立高校:無断撮影とLINE拡散(発生:2023年/公表:2026年4月)
朝日新聞・読売新聞によると、筑豊地区の県立高校で2023年、1年生の生徒が同級生から着替え中や寝顔などの撮影を受け、部活動やクラスのグループLINE等で拡散された事案があり、県教委が重大事態の調査報告書を公表しました。被害生徒は不登校のあと通信制へ転校したと報じられています。性的な細部はここでは書きません。
神奈川県立高校吹奏楽部:個人宛LINEと集団での話し合い(答申:2026年1月8日)
神奈川県の調査結果概要 は、当時1年の女子生徒について、本人を外した写真、個人宛LINE、グループLINE、8月19日の話し合いでの複数発言などをいじめと認定しました。多対一ではいじめを想定すること、「お互い様」「気にしすぎ」「正義」などの正当化を許さないこと、を提言しています。
大津地裁:クラスLINEへのなりすまし投稿(2024年4月23日)
大津地裁判決 の前提事実として、先輩が原告のスマートフォンからなりすまし、クラスのグループLINEに不適切な投稿をしたことが認定されています。提訴の中心となった行為については不法行為とまでは認めず、学校の安全配慮義務違反も否定し、請求を棄却しました。控訴・確定は本稿執筆時点で公的確認途上です。いじめ調査での事実把握と、民事の損害賠償認容は別の判断です。
その他、報道・公表で確認できるSNSいじめの重大事態
- 新潟県の県立高校では、SNSでの中傷などがいじめにあたるとして校長が謝罪した、と報じられています。
- 熊本県立東稜高校では、SNSのグループでの中傷などを受けて生徒が転校し、第三者調査委員会が複数の行為をいじめと認定した、と報じられています。
- 佐賀県の県立高校では、SNSでの中傷で通学できなくなった生徒のケースが重大事態と認定された、と報じられています。
- 旭川市では、SNSで悪口を書き込まれた生徒が不登校になった事案も、重大事態として調査されています(市の公表資料例)。
参考:2011年の大津市の事件は、いじめ防止対策推進法(2013年)の制定につながりました。SNSが中心の事件ではありませんが、その後の裁判でいじめと自殺の因果関係が争われ、一審と控訴審で賠償額が大きく変わった経緯は、後の重大事態の議論の前提になっています。
LINEのやりとりが重大な事件に発展した事例
神奈川県川崎市(2015年):中学1年の男子生徒が殺害された事件では、暴行を受けていることを同級生にLINEで相談し、グループから抜けたがっていたSOSが大人に届かなかった、と報じられています。事件前夜の呼び出しもLINEのメッセージがきっかけだった、との報道があります。主犯格らには不定期刑が言い渡されています。子ども同士のLINEで「助けて」が出ていても、大人に伝える回路がなければ届かない、という点が残ります。
広島県呉市(2013年):LINEでの悪口が発端と供述された事件が報じられ、文字だけのやりとりで感情がエスカレートする危うさが広く知られるきっかけになりました。
画像の撮影・拡散と生成AI
北海道旭川市では、男子中学生の裸の写真の拡散が重大事態と認定され、情報モラル学習の必要性が指摘されました。東京都の日大三高では、わいせつな動画の送受信とLINEなどでの拡散について、2026年2月に児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検された、と報じられています。静岡の高校でも同種の書類送検が報じられています。警視庁によると、性的姿態撮影等処罰法施行後、同級生などを盗撮したとして摘発された中高生は多数にのぼり、校内での撮影も少なくありません。
生成AIによる性的ディープフェイクは、警察庁が令和7年中に114件を把握し、被害の約9割が中高生、約6割が同級生・同じ学校の者の中で行われたと公表しています(文科省事務連絡)。報道では2026年上半期に件数がさらに増えた、との集計もあります。同級生がアプリで気軽につくって回す、という形がいじめと性犯罪の重なりとして広がっています。
SNS・ゲームで知り合った大人による誘い出し
大阪市の小学6年生がSNSで誘い出された事件(2019年)、横浜市の小学4年生がゲームのボイスチャットで知り合った男に誘い出された事件、滋賀・岡山などでのオンラインゲーム起点の誘拐疑い——いずれも、短い期間でオフラインの危険につながる点が共通しています。警察庁はオンラインゲームについて注意喚起を出しています。危ないのはゲームそのものより、知らない人とつながる機能と、ゲーム外のSNSへの誘導です。クロスウェーブでマインクラフト(マイクラ)やRoblox(ロブロックス)を扱う現場としても、ここは保護者に必ず伝えます。
闇バイト・知人の誘いで加害者になった事例
SNSの「高額バイト」だけでなく、知人・先輩からの誘いが入り口になる割合が高い、という警察庁の調査結果が報じられています。受け子などの特殊詐欺で少年が関与するケースでも、「知人等の紹介」が大きな割合を占めます。
いじめの動画がSNSで拡散された事例(2026年)
2026年の年明け、学校内の暴行の動画がSNSで次々と拡散され、全国的な問題になりました。栃木・大分・熊本・福岡などの事案が報じられ、文部科学省は1月14日、全国の教育長を集めた緊急会議を開き、見過ごされた暴力行為やいじめの点検と、必要に応じた警察との連携を求めました。1月30日には SNS上の暴力動画等への対応通知 が出ています。
二つの問題が同時に起きます。一つは、暴行の様子を撮影して回すこと自体がいじめであること。もう一つは、動画を見た大人を含む多くの人が、加害者を特定しようとして再投稿や個人情報の書き込みを重ね、関係のない生徒まで巻き込むことです。沖縄・浦添市の事例は次の「沖縄の状況」で触れます。
SNS以外も含む、全国の主ないじめ重大事案のその後(参考)
| 事案 | 調査・裁判のその後 |
|---|---|
| 大津市・中2男子(2011年) | いじめ防止対策推進法のきっかけ。民事では一審と控訴審で賠償額が大きく変化 |
| 豊見城市・小4男子(2015年) | 第三者委員会がいじめを主な要因と認定し市教委が謝罪。那覇地裁は市の責任を認めず(沖縄の節) |
| 宝塚市・中2女子(2016年) | 部活動やクラスでの無視や陰口など多数をいじめと認定し、自殺との強い関連を指摘 |
| 名古屋市・中1男子(2018年) | 学校と市教委の調査はいじめを認めず、市長のもとでの再調査が初めていじめを認定 |
| 大阪市・中3男子 | 第三者委員会が部活動内の多数のいじめを認定し、自殺の最大の要因と結論(2025年報道) |
| 長崎市・私立高2男子 | 長崎地裁は中学時代のいじめと学校の義務違反を認定。自殺についての賠償は認めず(2026年報道) |
調査の結論が再調査で変わる、いじめは認められても自殺との因果関係や学校の予見可能性で判断が分かれる、という傾向は、SNSの事案と共通しています。
海外の事例と、それが変えた法律(概要)
ネットいじめは世界共通です。一人の子どもの死が法律を変えるきっかけになった例として、米国のuteen・マイヤーさん(ネットいじめ防止法案の契機)、カナダのアマンダ・トッドさん/レテア・パーソンズさん、イタリアのカロリーナ・ピキオさん、英国のモリー・ラッセルさん(オンライン安全法への影響)、オーストラリアのドリー・エヴェレットさん、アイルランドのニコル・フォックスさん(いわゆるココ法)、米国のジョーダン・デメイさん(セクストーション)などがあります。国境を越える加害、性的画像を使った脅しが短時間で命を奪いうること、法律ができても被害が消えるわけではないこと——が共通しています。詳細は各国の報道・判決・立法文書を正とします。
事例のその後から、保護者が知っておくべき現実
| 事例 | 調査・裁判の結論(要約) | 結論までの期間の目安 |
|---|---|---|
| 門真市(2022年) | 62件のいじめと自殺の因果関係を認定。民事は継続 | 報告書まで約2年 |
| 町田市(2020年) | いじめは認定、自殺の原因は特定できず。提訴 | 調査結果まで3年以上 |
| 旭川市(2021年) | 再調査で「主要な原因の可能性が高い」。和解 | 和解まで約5年 |
| 須磨学園(2022年) | いじめと認定、学校は一部に反論 | 約2年 |
| 川口市(地裁2021年) | 重大事態調査懈怠を違法と認定 | 長期化の末の判決 |
| 日大三高(2025〜26年) | 児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検 | 相談から約4か月(報道) |
- いじめの調査は年単位でかかり、その間も子どもの生活は続きます。調査とは別に、目の前の安全と学習の確保を求める必要があります。
- 最初の調査の結論が、再調査で変わることがあります。記録が残っていることが、後の検証の決め手になります。
- 学校が「トラブル」「お互い様」として扱った結果、対応が遅れたケースが繰り返されています。
- いじめそのものは刑事事件にならなくても、画像の撮影・拡散、脅し、暴力は犯罪として警察が動けます。
- 民事では、学校の設置者だけでなく、加害生徒個人が賠償を求められることもあります。
いじめ以外のリスク
自画撮り被害
だまされたり脅されたりして、子どもが自分の裸を撮影させられ、送らされる被害です。学年別では中学生が多い、という自治体の整理があります。同年代や優しい年上のふりで近づき、信頼させてから写真を要求し、一度送ると「ばらすぞ」と脅してさらに要求する、という流れがよく知られています。送ってしまったら、怒らずに大人へつなぐ約束が、家庭の防御になります。
生成AIによる性的ディープフェイク
警察庁・文科省の数字と事例類型は前章のとおりです。総務省の「インターネットトラブル事例集」も近年この問題を取り上げています(総務省)。家庭で画像を転送して「証拠を増やす」行為は、二次被害と法的リスクを広げます。
オンラインゲームを入り口にした被害
マインクラフト(マイクラ)を扱う教室として、特に伝えたい部分です。ボイスチャットやメッセージ機能で、高価なアイテムをあげたり攻略を教えたりして信頼を得てから犯罪に及ぶ手口が示されています。海外ではRoblox(ロブロックス)の設計をめぐる訴訟も報じられています。ゲームそのものが悪いのではありません。危ないのは、知らない人とつながる機能と、ゲームの外のSNSに誘導されることです。
高額課金
国民生活センターは、保護者のアカウントでログインした端末を渡し、登録済みのクレジットカードで課金されるケースが典型だと指摘しています(国民生活センター)。大人名義の決済手段が使われていると、返金が認められにくいこともあります。相談は消費生活センター(188)です。
位置情報共有アプリ・長時間利用
友達同士で現在地を表示し合うアプリは、ストーカー被害やトラブルの入り口として自治体資料で紹介されています。ネット・ゲーム依存の疑いと不登校の重なりについて、教員向け研修を公開している自治体もあります。数字の推計方法には議論があり、目安として扱うのが安全です。
沖縄の状況
数字で見る沖縄(令和6年度)
沖縄県教育委員会がまとめた令和6年度の問題行動・不登校調査の結果です(県の報告資料)。
| 項目 | 沖縄県 | 全国 |
|---|---|---|
| いじめの認知件数 | 12,395件(小10,813、中1,170、高337、特別支援75) | 769,022件 |
| 1,000人当たりのいじめ認知件数 | 57.2件 | 61.3件 |
| いじめが「解消している」割合 | 71.1% | 76.1% |
| 認知から3か月以上たっても「解消に向けて取組中」 | 10.7% | 7.9% |
| いじめの重大事態 | 17校で20件(命・心身などの被害16件、長期欠席8件) | 1,404件前後(全国) |
| 1,000人当たりの暴力行為(小学校) | 18.8件 | 13.8件 |
| 1,000人当たりの暴力行為(中学校) | 19.8件 | 12.6件 |
| 小中学校の不登校 | 7,432人 | 353,970人 |
| 1,000人当たりの不登校(小学校) | 35.4人 | 23.0人 |
| 1,000人当たりの不登校(中学校) | 77.5人 | 67.9人 |
| 1,000人当たりの不登校(高校) | 35.7人 | 23.3人 |
いじめの認知件数そのものは全国平均を下回りましたが、いじめの解消に時間がかかっているケースの割合、小中学校の暴力行為、不登校はいずれも全国を大きく上回っています。特に小学校の不登校は、1,000人当たりで全国の約1.5倍です。県の公表資料では、ネットいじめ(パソコンや携帯電話等での中傷)の県内件数は、本稿では確認し切れていません。
沖縄の子どものネット利用
沖縄セルラー電話が県教育庁を通じて県内の小中高生に行った調査(2025年8月発表、報道)では、ネット依存の傾向がある子どもは小学生18.7%、中学生22.7%、高校生23.6%でした。中学1年から高校3年までの全学年で、3割以上が1日4時間以上ネットに接続し、長い子ほど会ったことのない人とのやりとりや朝食を抜く割合が高い、との整理があります(琉球新報)。
沖縄で起きた事例と、その後
浦添市(2026年1月):2年前の暴行動画が「いじめ動画」としてSNSで広まり、加害者特定を求める返信や再投稿が相次ぎました。市教委は市立中学校の生徒だと認めたうえで、2024年に起きた事案で関係機関と連携して対応済みだと説明し、冷静な対応を呼びかけました。県警も、当時の対応は終結しているとして、関係者のプライバシーを侵害する投稿をやめるよう呼びかけています。一度ネットに出た動画は、事案が解決したあとでも残り、被害者も、更生しようとしている加害者も、いまの在校生も苦しめ続けます。「正義感からの拡散」も、加害に加わることになります。
沖縄市(2025年):保護者が重大事態調査を求めたが、市教委は学校がすでに調査しており再調査はしないとした、と報じられています。保護者は市と市長に損害賠償を求める訴えを起こし、オンライン署名も集まりました。裁判は続いています。文科省のガイドラインは保護者からの申立てがあれば重大事態として扱うよう求めていますが、現場ではそのとおりに運用されないことがある、という点が残ります。
豊見城市(2015年):小学4年の男子児童が亡くなりました。第三者委員会は、いじめを自殺の大きな要因の一つと認定し、学校が適切に対応していれば防げたと判断しました。市教委はいじめを主な原因と認め、遺族に謝罪しています。一方、遺族が市を訴えた裁判で、那覇地裁は「学校は予見できなかった」として市の責任を認めませんでした。第三者委員会の判断と裁判所の判断は、必ずしも一致しません。
沖縄尚学高付属中:いじめの訴訟で学校の責任を認め、賠償を命じた那覇地裁判決が報じられています。本島中部の中学校では、重大事態としての認識不足と対応の不備が外部調査で指摘され、情報モラル教育の必要性も取り上げられました。
沖縄のSNSがきっかけの犯罪被害と県の取り組み
過去の報道では、SNSを利用した児童買春などの被害や摘発が県内で多い年があった、と伝えられています。県警は、沖縄では未成年が被害者となるサイバー犯罪の割合が全国平均より高い、と指摘してきた経緯もあります。闇バイトについても、県内での逮捕報道と注意喚起があります。令和6・7年の県内SNS被害児童数は、本稿で一次資料を取り切れていません。最新は沖縄県警の公表を見てください。
県は、青少年保護育成条例で裸の画像などを送るよう求める行為を禁止し、フィルタリングに関する改正も行っています。県教委は、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー、就学継続支援、校内自立支援室事業などを進めています。「ちゅらマナーハンドブック」など情報モラル教材の配布も、こども家庭庁の取組一覧に挙がっています。沖縄セルラー電話と県教育庁などは「沖縄スマホサミット」を開き、子どもたち自身がスマホとの付き合い方を考える場をつくっています。
令和6年度には、文部科学省のネット対策地域モデル事業が沖縄でも開かれ、学校現場の講演では「いじめは加害と被害だけの問題ではなく集団の問題」「デジタルタトゥー」「投稿前に5秒待つ」といった現場の言葉が共有された、とのレポートがあります。うるま市立の校長経験者の講演として報じられた内容は、クロスウェーブがうるまで開講していることとも重なります。県警は、少年相談窓口「ヤングテレホン(0120-276-556)」や、保護者向けのカウンセリング会、フィルタリング促進の働きかけも案内しています。
沖縄の数字から見えるのは、ネットに長くつながり、知らない人とやりとりする子が多く、不登校や暴力行為も全国より多いという状況です。いじめは「解消」までに時間がかかるケースが全国より多く、重大事態の調査をめぐって保護者と教育委員会が対立する事例も起きています。だからこそ、次の実践ガイド——調査を待たずに明日の安全を求める、記録を残す、動かなければ教育委員会・警察・弁護士へ並行してつなぐ——が、沖縄でもそのまま役に立ちます。平日の昼に作品づくりへつなぐ話は ギフテッドの子・不登校の子がプログラミングを学べる場所 にも触れています。
これまでにとられてきた対策
| 法律・制度 | 内容 |
|---|---|
| いじめ防止対策推進法(2013年施行) | インターネットを通じたいじめも「いじめ」に含む。学校に組織的な対応と重大事態の調査を義務づけ。2023年4月からは重大事態の文科省への報告も義務化 |
| 重大事態調査ガイドライン(2024年8月改訂) | 「疑い」の段階で調査、保護者申立てがあれば重大事態として扱う、記録の保存など(PDF) |
| 警察との連携通知(2023年2月) | 犯罪行為として扱うべきいじめは直ちに警察へ(PDF) |
| 青少年インターネット環境整備法 | 18歳未満が使うスマホについて、携帯会社にフィルタリングの説明と設定を義務づけ |
| 侮辱罪の厳罰化(2022年7月) | ネット上の誹謗中傷への対応として法定刑を引き上げ |
| 性的姿態撮影等処罰法(2023年7月) | 性的な部位や下着姿のひそかな撮影や提供などを処罰対象に |
| 情報流通プラットフォーム対処法(2025年4月) | 大規模SNSに、削除の申出への迅速な対応や削除基準の公表を義務づけ |
自治体の独自例として、大阪府寝屋川市の監察課による行政的アプローチ、千葉県柏市の匿名通報アプリ、鳥取県の性的ディープフェイク条例と弁護士相談費用支援、愛知県豊明市のスマホ利用時間の目安条例などが報じ・公表されています。町田市の事案を受け、1人1台端末のID・パスワードを個別管理するよう各地で通知が出されました。
海外と日本の「年齢制限」の議論
オーストラリアでは2025年12月、16歳未満のSNS利用を禁止する法律が施行された、と報じられています。日本では、こども家庭庁の有識者会議がSNS事業者への年齢確認などの安全対策義務づけを提言し、一律の年齢制限は議論が続いています。規制ができても、それだけで子どもが安全になるわけではありません。規制で守れない部分は、家庭と学校で補うしかありません。
事例から見える問題の根っこ
- 見えない:グループLINE、裏アカウント、消える投稿など、大人が中身を見られない場所でトラブルが起きる。
- 逃げられない:24時間つながっていて、家にいても攻撃が届く。
- 消えない・広がる:スクショ1枚、画像1枚が、一瞬で誰の手にも渡る。
- 加害のハードルが低い:匿名、なりすまし、生成AIで、悪意ある行為が手軽にできる。
- 知識が追いついていない:子どもも保護者も、仕組みを知らないまま使っている。
- 大人側の仕組みに穴がある:「トラブル」「お互い様」とする対応、記録の不足、端末管理の甘さ、届かない相談。
1〜4はテクノロジーの性質で、なくせません。変えられるのは5と6です。ここからは、その具体的な手順です。文中の日数の目安は、法律で決まった期限ではなく、保護者から求めてよい目安です。
保護者の実践ガイド:トラブルが起きたとき
いちばん大事な前提は、いじめの認定や調査が終わるまで、危険な状態で登校を続ける必要はない、ということです。調査は年単位でかかることがあります。
まず「明日、同じ被害を受けないか」を決める
学校との最初の話し合いは、「いじめかどうか」の議論より、明日の安全対策に絞ります。
| 困っている状況 | 学校に求めること |
|---|---|
| 休み時間に囲まれる | 誰が、どこで見守るかを決める |
| 教室に入るのが怖い | 安全に過ごせる場所と、そこで受けられる授業を決める |
| 部活動で接触する | 活動の場所・時間・指導者の配置を調整する |
| 登下校で待ち伏せされる | 下校時の見守りや引き渡しを決める |
| LINEやSNSで攻撃される | 投稿・転送・直接の連絡・第三者を通じた接触をやめるよう、相手に指導してもらう |
| 相談したことが知られると報復されそう | 誰に何を伝えるか、聞き取りの後にどう守るかを、先に確認する |
学校には、たとえばこう伝えます。
「事実確認に時間がかかるとしても、安全対策は先に必要です。明日の登校までに、担当者と具体的な対応を教えてください。安全が確保できない場合は、登校の方法と学習の支援について別に相談させてください。」
安全対策の答えがないまま「とりあえず来てみてください」に応じる必要はありません。欠席や別室登校を選ぶ場合は、授業・課題・評価・連絡をどう受けるかを一緒に確認します。ガイドラインも、被害を受けた子どもへの学習支援を求めています。
今日つくるのは、長い告発文ではなく「1枚の状況整理」
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 起きたこと | 日時、場所、誰から何をされたか |
| 情報の出どころ | 本人から聞いた/親が直接見た/他の人から聞いた、を区別する |
| 今の影響 | 登校できない、眠れない、通知の音を怖がる、授業を受けられないなど |
| 求める対応 | 接触の回避、個別の聞き取り、記録の保存、学習支援、次の報告日 |
わからないことは「不明」でかまいません。子どもに何度も聞いて、完全な説明をつくらせる必要はありません。
ネットの証拠を正しく残す
- スクリーンショットは、日時、相手のアカウント名、グループ名、前後のやりとりがわかる形で撮ります。
- 投稿のURLや、相手のアカウントのIDも控えます。投稿は消されることがあるので、早めに残します。
- 元のデータは加工せずに保管し、学校などに出す用のコピーを別にします。
- 画面が残っていなければ、子どもから聞いた日と内容をメモします。「友達が画面を見た」という情報も、出どころを区別して残します。
- 親が他の子に直接連絡して証言を集めたり、子どもにグループへ潜り込ませたりする必要はありません。
性的な画像・動画の場合だけは、扱いがまったく違います。
- 画像そのものを保存したり、スクショしたり、誰かに転送したりしないでください。18歳未満の性的な画像は、保存や転送そのものが児童ポルノ禁止法にふれるおそれがあります。
- 記録するのは、いつ、どのアカウントが、どこに投稿・送信したか、という文字情報だけにします。
- すぐに警察に相談してください。拡散を止めるには時間が勝負です。
担任への口頭相談で止めず、校長に記録を届ける
一度相談しても動きがない、被害が続く、登校に支障がある場合は、校長・教頭あてに1枚の状況整理をメールなどで送り、次を求めます。
- 学校のいじめ対策組織で共有してほしい
- 相談の内容、聞き取りの記録、アンケート、デジタル資料を保存してほしい
- 対応の責任者と、連絡の窓口を決めてほしい
- 当面の安全対策と、次の報告日を示してほしい
電話や面談の後は、「本日の理解は次のとおりです。違う点があればお知らせください」と、決まったこと・決まらなかったことをメールで送ります。ガイドラインも、書面の記入がないことを理由に口頭相談に対応しないことがあってはならない、としています。
学校の返答には、こう確認する
| 学校の返答 | 保護者が確認すること |
|---|---|
| 相手はやっていないと言っています | 本人への聞き取り以外に、何を確認しましたか。確認できていない点と、今後の確認方法を教えてください |
| ほかの子も同じ説明です | 直接見た子の説明ですか、聞いた話ですか。一人ずつ聞き取りましたか |
| お互い様です | こちらの子の行為も調べてください。そのうえで、先に受けた行為と、それへの反応を時系列で分けて確認してください |
| 証拠がありません | 現時点で確認できないことと、起きていないと判断したことを、分けて説明してください |
| LINEは学校外のことなので | いじめ防止対策推進法は、インターネットを通じた行為もいじめに含めています。学校としての対応を教えてください |
| しばらく様子を見ます | 誰が、何を、いつまで確認しますか。再発したら何を変えますか |
| 謝罪したので終わりです | 本人は今も怖がっています。接触と再発を防ぐ対応を続けてください。文科省通知も、謝罪だけで安易に解消とすることを戒めています |
| 個人情報なので話せません | 他の子の個人的な情報ではなく、わが子の安全のために実施する対応と、調査の進み具合を教えてください |
| とりあえず登校してください | 登校条件としての安全対策を先に示してください |
ガイドラインは「確認できた事項」と「確認できなかった事項」を分けて記録するよう求めています。保護者が同じ区別を求めるのは、無理な要求ではありません。わが子が暴言や暴力で反応してしまった場合も、その指導と、受けた被害への対応は両方必要です。都合の悪い記録も消さず、前後の経緯を出します。
動かなければ、同じ相談を繰り返さず、上に上げる
目安として、明日の安全対策は当日から翌朝の登校前まで、調査の担当と予定は数日以内に答えを求めます。危険が続く、約束した報告がない、安全対策が実行されない場合は、目安を待たずに学校の設置者に相談します。
| 学校 | 次に相談する先 |
|---|---|
| 市町村立の小中学校 | その市町村の教育委員会(生徒指導やいじめの担当) |
| 県立学校 | 県教育委員会の担当部署 |
| 私立学校 | 学校法人。必要に応じて都道府県の私立学校の担当部署 |
| 国立大学の附属学校 | 大学の担当部署 |
伝えるときは、「学校がひどい」という評価ではなく、「〇月〇日に校長へ相談しました。現在も○○が続いており、お願いした安全対策について回答がありません。学校への確認と、実施する対策・担当者・報告日の調整をお願いします。」の形にします。教育委員会に相談しても、解決が保証されるわけではありません。「何が実行されたか」を確認してもらいます。
警察と弁護士は、学校の対応を待たずに並行して使う
殴る・蹴る、脅す、お金を要求する、性的な画像の撮影や共有、アカウントの乗っ取りやなりすまし——こうした行為がある場合は、学校の中だけで解決しようとしないでください。文科省の2023年2月の通知は、犯罪行為として扱うべきいじめは直ちに警察に相談・通報しなければならないとしています。保護者が直接警察に相談することもできます。
警察には「いじめです」だけでなく、具体的な行為を伝えます。「〇日に○○をされました。記録はこれです。今も接触があり、また起きることを心配しています。犯罪被害としての相談と、被害届の提出について確認したいです。」相談した日、警察署と担当部署、説明した内容、回答をメモしておきます。相談と被害届は別です。
弁護士への相談は、裁判を決めてからでなくてかまいません。事実関係が大きく食い違う、被害が続き登校や学習に支障がある、重大事態としての対応を求めたい、文書の書き方がわからない、匿名投稿者を特定したい——こうしたときが入口です。頼む範囲を「1回の相談」「文書の確認」「面談への同席」などに分け、費用を先に確認します。学校の顧問弁護士(スクールロイヤー)は学校側の立場で、保護者の代理人ではありません。法テラス の無料法律相談や費用の立て替え制度が使える場合があります(条件あり)。いじめ関連のFAQは こちら です。
重大事態が疑われるなら、はっきり申し立てる
いじめ防止対策推進法は、次の場合を重大事態として、学校や教育委員会に調査を義務づけています。
- いじめで、子どもの命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いがあるとき(1号)
- いじめで、子どもが相当の期間、学校を欠席せざるをえなくなっている疑いがあるとき(2号)
ポイントは「疑い」の段階で対象になることです。欠席は年間30日が目安ですが、連続して休んでいる場合は30日に達する前から対応を始めるべきとされています。ガイドラインは、子どもや保護者から重大事態の申立てがあったときは、重大事態が発生したものとして報告・調査にあたるよう求めています。重大事態にあたる例として「わいせつな画像や顔写真を加工した画像をインターネット上で拡散された」も挙げられています。
申し立てるときは、どんな行為があったか、どんな被害・欠席が起きているか、これまで誰に相談し何が実行されていないか、を書面で添えます。口頭でもよく、書面がないことを理由に対応を遅らせてはならない、ともあります。調査の申立てと、今日からの安全・学習支援の要求は、必ず並行させてください。
SNSの投稿の削除を求める
まずは各SNSの通報機能から削除を求めます。大規模SNSは、情報流通プラットフォーム対処法で削除の申出への迅速な対応が義務づけられています。違法・有害情報相談センター に削除依頼の方法を相談できます。性的な画像の拡散は、削除依頼と並行して、必ず警察に相談します。
保護者が全部を背負わない
親族や知人の支援は、「頑張って」より具体的な分担が役立ちます。面談に同席してメモを取る、メールと記録を日付順に整理する、送り迎えを手伝う、学校以外で安心して過ごせる時間をつくる、弁護士や相談機関への連絡に付き添う——です。相手の親への集団での抗議、保護者LINEでの証拠の共有、SNSでの相手の名前や学校名の公開は、新しいトラブルや名誉毀損の問題を招き、子どもの負担を増やします。
今日やることは3つだけ
- 子どもと、明日の登校・連絡・接触をどうするか決める。
- 被害と生活への影響を1枚にまとめ、校長に具体的な安全対策を求める。
- 被害が続く、危険がある、学校が動かない場合は、教育委員会・警察・弁護士に並行してつなぐ。
学校に何度説明したかより、「明日から何が変わるか」「変わらなければ次に誰が動くか」を毎回確認することが、実際の指針になります。
保護者の実践ガイド:わが子が加害側・傍観者だったとき
わが子が加害側だと言われたら
まず否定から入らず、事実を確認します。学校が持っている記録を見せてもらい、子どもからも話を聞きます。画像やメッセージを「消せば終わり」にしないでください。証拠隠しと受け取られ、事態を悪くします。性的な画像を持っている場合は、自己判断で消したり転送したりせず、学校や警察、弁護士に扱いを相談します。
14歳以上は刑事責任を問われることがあり、14歳未満でも児童相談所や家庭裁判所の手続きの対象になることがあります。門真市の事例のように、民事で加害生徒個人に損害賠償が求められることもあります。謝罪は、相手が受け入れられる形と時期を、学校を通じて相談します。直接押しかけての謝罪は、相手をさらに怖がらせることがあります。「ふざけただけ」「みんなやっていた」の背景に、子ども自身が別の場所でいじめられている、ストレスを抱えている、ということもあります。罰するだけでなく、理由を聞いてください。
わが子がグループで見ていた(傍観者だった)とき
悪口の投稿や画像を、転送・保存・「いいね」しないよう伝えます。転送は、加害に加わることになります。グループを抜けにくいときは、通知を切る、何も書かない、という選択も伝えます。「大人に伝えることは告げ口ではない」と話してください。川崎市の事件では、LINEで出ていたSOSが大人に届きませんでした。
保護者の実践ガイド:トラブルを防ぐために
スマホやゲーム機を渡す前のチェックリスト
- 携帯会社のフィルタリングを設定したか
- iPhoneの「スクリーンタイム」やAndroidの「ファミリーリンク」で、アプリのインストールと利用時間を管理できるようにしたか
- ゲーム機・ゲームアプリのフレンド申請、チャット、ボイスチャットを、知らない人とつながらない設定にしたか
- 課金のパスワードを子どもに教えていないか、保護者のアカウントでログインした端末を渡していないか
- SNSのアカウントは非公開(鍵アカウント)にし、プロフィールに学校名・本名・顔写真・住んでいる地域を載せていないか
- 写真の位置情報(GPS情報)を記録しない設定にしたか
- 位置情報共有アプリは、家族と本当に親しい友達以外と共有していないか
家庭のルールは「一緒に決めて、紙に書く」
利用時間、寝室に持ち込まない、知らない人と会わない、写真を送る前に一度考える、などを子どもと話し合って決め、紙に書いて貼っておきます。親が一方的に決めたルールより、守られやすくなります。見直し日(例:1か月後)も書いておくと、「ずっと同じ厳しさ」ではなく「一緒に更新する約束」になります。
例(家庭ごとに言い換えてください)。
- 平日のネットは〇時まで。勉強・入浴・睡眠のあとに残った時間で使う
- 寝室にスマホを持ち込まない。充電器はリビング
- 知らない人とのDM・フレンド申請・ボイスチャットは、保護者と一緒に判断する
- 写真を送る前に、一度画面を見せる(強制ではなく、困ったときの習慣)
- グループLINEは、夜〇時以降は見ない/通知オフ可
「怒らないから話して」と言える関係が、最大の防御
自画撮り被害の脅しも、グループ外しも、子どもが「親に言ったらスマホを取り上げられる」と思うと、一人で抱え込みます。ルールを破ったときの約束と同じくらい、「困ったことを話してくれたら、まず助ける」という約束を大切にしてください。打ち明けてくれたら、最初の一言は「話してくれてありがとう」です。次に聞くのは「いま、いちばん怖いことは何?」です。原因究明の尋問は、そのあとで十分です。
クラスLINEは「入らない・見ない時間をつくる」も選択肢
グループに入るかどうか、夜何時以降は見ないか、通知を切るかなど、子どもに選ぶ権利があることを伝えます。保護者同士で「夜〇時以降はグループに投稿しない」と申し合わせている学年もあります。学習連絡だけが目的なら、学校の公式連絡手段(タブレットの連絡機能、学校指定アプリ、紙のお便り)に寄せられないかを、学年懇談で提案してみてください。私的クラスLINEに宿題と人間関係が全部載る状態は、トラブルの温床になりやすいです。
子どもに伝えておきたい五つのこと
- ネットに出したものは、消しても誰かのスクショで残っている。
- 優しくしてくれる知らない人が、本当は誰かはわからない。
- 裸や下着の写真は、誰に頼まれても、どんなに仲が良くても送らない。送ってしまったら、すぐ大人に言う。怒らない。
- 回ってきた悪口や画像は、転送しない。転送したら加害者の一人になる。
- 「高額バイト」「簡単に稼げる」は、ほぼ犯罪への入り口。友達や先輩からの誘いでも同じ。
加えて、学年が上がったら次も伝えてください。「なりすましアカウントは、作る側も被害側も深い傷になる」「生成AIで顔や体を加工して回すのは冗談では済まない」「正義感での拡散も、被害者を再び傷つける」。使う側の線引きの授業の考え方は SNSの危険を防ぐ子供向け教育 にも書いています。
学校の実践ガイド
初動:その日のうちに組織で共有する
子どもや保護者からの相談は、担任一人で抱えず、その日のうちに学校いじめ対策組織で共有します。門真市の事例では、母親の相談がいじめとして扱われなかったことが、第三者委員会に厳しく指摘されました。「SNSトラブル」「お互い様」と呼ぶ前に、いじめ防止対策推進法の定義(ネットを通じた行為を含む)にあてはまるかで判断します。調査より先に、被害を受けた子の明日の安全対策を決め、保護者に伝えます。
記録:後で検証できる形で残す
相談の内容、聞き取り、会議、指導の記録をつくり、保存します。「確認できた事項」と「確認できなかった事項」を分けて書き、推測や感想を混ぜないようにします。旭川市の事例では、最初の調査から結論が改められました。記録の質が、後の検証を左右します。
ネット特有の対応
スクリーンショットの提出は、日時やアカウント名がわかる形で受け取ります。性的な画像・動画は、教員が集めたり、保存したり、確認のために転送させたりしないでください。教員の端末に残すこと自体が問題になりえます。文字情報で記録し、直ちに警察に相談します。加害側の子どもへの指導では、投稿の削除だけでなく、転送先の確認と、それ以上の拡散の防止まで行います。生成AIによるディープフェイクは、「つくることも、回すことも、持っていることも犯罪になりうる」と、加害の側の視点から具体的に教えます。
警察との連携をためらわない
暴力、恐喝、性的な画像の撮影・拡散、なりすましなど、犯罪にあたる行為は、学校だけで判断せず、直ちに警察に相談・通報します。判断に迷う場合も相談するよう、文科省の通知が求めています。
重大事態の申立てを受けたら
保護者からの申立てがあれば、重大事態が発生したものとして報告・調査にあたります。連続して欠席している場合は、30日に達する前から設置者に報告・相談します。調査中も、被害を受けた子の学習支援と、加害側への指導は止めません。
1人1台端末の管理
ID・パスワードは個別にし、共通のパスワードは使わない。チャット機能を使う場合は、使ってよい場面と、ログを誰がどう確認するかを決めておく。端末からSOSを出せる相談の仕組みを用意する。
保護者への説明
他の子の個人情報を守ることと、被害を受けた子の保護者に「何をしているか」を説明することは、両立できます。実施している安全対策、調査の進み具合、次の報告日を、具体的に伝えてください。説明がないことが、保護者の不信と、学校外への拡散を生んでいます。私的クラスLINEに依存せず、公式の連絡手段を確保することも運用の一部です。神奈川県概要の「多対一」「正当化を許さない」提言も、校内研修の材料になります。
情報モラル教育は「禁止の話」だけで閉じない
投稿前に5秒待つ、転送しない、スクショの意味、生成AIの加工、デジタルタトゥー——禁止リストの暗記より、「仕組みがわかると自分で止められる」側へ寄せます。沖縄では、ちゅらマナーやスマホサミット、ネット対策のモデル事業など、県と通信事業者が場をつくってきた経緯もあります。授業のあとに、子どもが家で話せる大人(担任・養護・SC・保護者)の顔が見える状態をつくることが、予防の本丸です。
学校向け・初動の当日チェック(内部用)
- 相談を受けた教員名と時刻を残したか
- いじめ対策組織へ、その日のうちに共有したか
- 「SNSトラブル」と呼ぶ前に、法の定義で見直したか
- 被害側の明日の安全対策を、先に決めて保護者へ伝えたか
- 性的画像の扱いで、教員端末への保存・転送を避けたか
- 犯罪性の判断で迷うとき、警察へ相談する導線を確保したか
- 次の保護者連絡の日時を、その場で約束したか
相談窓口の一覧
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310) | 文部科学省の全国統一の電話相談。年中無休・24時間。子どもも保護者もかけられる(文科省)。沖縄は県の親子電話相談をこの番号に統合(県のページ) |
| 子どもの人権110番(0120-007-110) | 法務省の相談電話。平日日中。LINEでの相談もあり |
| 警察の少年相談窓口・最寄りの警察署 | 暴力、脅し、性的な画像、なりすましなど。緊急時は110番。相談専用 #9110、性犯罪被害相談 #8103 |
| 違法・有害情報相談センター | ネット上の投稿の削除依頼の方法を相談(ihaho.jp) |
| 法テラス | 無料法律相談、弁護士費用の立て替え(条件あり) |
| 消費生活センター(188) | ゲームの高額課金などの契約トラブル |
| お住まいの市町村の教育委員会 | 学校が対応しないときの相談先 |
| こども家庭庁・沖縄の相談窓口一覧 | cfa.go.jp |
| 沖縄県警・ヤングテレホン(0120-276-556) | 少年サポートセンターの電話相談(フリーダイヤル)。いじめ・学校・家庭の悩みなど。平日おおむね8:30〜17:15(昼休みを除く案内あり)。最新は 県警の電話相談窓口 を見てください。緊急は110 |
| 沖縄県・情報モラル関連 | 「ちゅらマナー」など県の情報モラル教材・スマホサミットの案内は、県教育庁・こども家庭庁の取組一覧から辿れます |
受付時間などは変わることがあるので、利用前に各窓口の公式サイトで確認してください。確認した日は、2026年10月28日です。今夜・いま身が危ないときは、110番か、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)を先に使ってください。
保護者が学校に持っていくチェックリスト(印刷用)
面談の前に、この一覧を紙かメモアプリに書いて持っていくと、話が「感想の交換」から「確認できる要求」に変わります。
- 今日の日付と、子どもの学年・組・氏名
- 起きたこと(日時・場所・相手が分かる範囲・何をされたか)
- 情報源(本人/保護者が見た/第三者)を分けて書く
- いまの生活への影響(眠れない、登校が怖い、欠席、部活を休むなど)
- 残した証拠の有無(スクショ、URL、端末の種類。性的画像は持ち込まない)
- すでに誰に話したか(担任・部活顧問・友人の保護者など)
- 明日までに欲しい安全対策(接触回避、見守り、オンライン上の接触停止、別室・学習支援)
- 次の報告日の希望
- 重大事態の申立てをするかどうか(1号・2号のどれを疑うか)
- 動かない場合の次の窓口(教育委員会・警察・弁護士)を、自分のメモに書いておく
学校側にも同じ紙のコピーを渡してかまいません。「お願い」ではなく、「この内容で文書回答をお願いします」と伝えると、あとで記録が残ります。末尾のメールひな形も、そのまま使えます。
一週間の動き方(目安)
法律で決まった期限ではありません。現場で保護者が動きやすい目安です。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 当日 | 子どもの安全を確保する。証拠を残す(性的画像は保存せず警察へ)。1枚の状況整理をつくる。校長あてに安全対策を求める |
| 1〜2日目 | 学校から安全対策の具体(誰が・どこで・いつまで)を文書でもらう。学習の受け方を決める |
| 3〜7日目 | 対策が動いているか確認する。動かなければ教育委員会へ同内容を送る。犯罪性があれば警察・弁護士を並行 |
| 2週目以降 | 重大事態の疑いがあれば申立て。調査の進みと次の報告日を毎回確認する。子どもの生活リズムと相談窓口を切らさない |
| 調査が長引くとき | 調査の結論と、明日の安全・学習保障を分けて求める。保護者一人で全部を抱えない |
よくある質問
クラスLINEに入っていない子も、いじめの対象になりますか
なります。グループの外で本人の悪口が回り、スクショだけが届く、学校端末のチャットに巻き込まれる、ゲーム内で仲間外れにされる——アカウントを持っていないことが、安全の保証にはなりません。詳しくは LINEを使っていない子も、ネットのいじめに遭うことがある に分けて書いています。
「いじめ」と呼ぶ前に、まずは様子を見るべきですか
子どもの心身の苦痛があるなら、法律上のいじめの定義にあてはまる可能性があります。様子見のあいだも、攻撃は続き得ます。調査の結論より先に、明日の安全対策を決めてください。
学校が「SNSのトラブル」「家庭で解決を」と言ったら
ネットを通じたいじめも、いじめ防止対策推進法の対象です。学校の内外を問いません。家庭だけで相手方の投稿を止めさせるのは現実的ではありません。組織としての事実確認と、接触回避・拡散防止を求めてください。動かなければ設置者(教育委員会)へ上げます。
重大事態は、何日休んだら該当しますか
2号は「相当の期間」の欠席で、目安として連続30日がよく言われます。ガイドラインは、30日を待つ前から設置者へ報告・相談するよう求めています。保護者からの申立てがあれば、重大事態として扱うことが求められています。1号は欠席日数より、生命・心身・財産の重大な被害の疑いが基準です。
スクリーンショットは、どこまで残してよいですか
日時、相手のアカウント名、グループ名、前後の文脈がわかる形で残します。性的な画像・動画は、保護者の端末に保存したり、学校へメール添付したりせず、警察に相談してください。教員も、性的画像を端末に集めて確認する運用は避け、文字情報で記録して警察へつなぐのが安全です。
相手の名前をSNSや保護者グループに書いてよいですか
書いてはいけません。名誉毀損や新たな拡散、子どもの二次被害につながります。証拠は学校・警察・弁護士に渡し、公開の場では個人が特定できる情報を出さないでください。
フィルタリングを外してほしがります。どうしますか
外す前に、何のために外したいのかを一緒に聞きます。学習サイトや特定アプリだけ許可する使い方もあります。フィルタリング未設定の被害が多い、という指摘が自治体資料に繰り返されています。外すなら、期間と見直し日を紙に書いてからにしてください。
生成AIで顔を加工した画像が回ってきました
「冗談」「加工だから大丈夫」では終わりません。性的なディープフェイクは、つくる・回す・持つことが問題になり得ます。被害側は削除と警察相談を優先し、学校にも組織共有を求めます。加害側にわが子がいたら、証拠を消させず、学校と警察・弁護士の扱いを先に確認します。
プログラミング教室に、今夜のいじめ相談はできますか
クロスウェーブは、プログラミングと作品づくりの教室です。今夜つらい子の個別相談窓口としては開いていません。いま危険なら110、話を聞いてほしいなら24時間子供SOSダイヤルへ。教室でできるのは、仕組みを知る学びと、学校・PTA向けの情報モラル・SNS安全の授業企画です。
沖縄の子の相談は、どこが近いですか
全国共通の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)、子どもの人権110番、市町村の教育委員会に加え、沖縄県警のヤングテレホン(0120-276-556)、こども家庭庁の沖縄窓口一覧が使えます。学校が動かないときは、お住まいの市町村教育委員会へ、本稿の状況整理と同じ内容を送ってください。
傷が残る前に止めるには、何が効きますか
効くのは、禁止の強化だけではありません。フィルタリングと設定、一緒に決めるルール、「話したら先に助ける」という約束、クラスLINEを見ない時間、学校側の早期の組織共有——この束です。兆候(通知を怖がる、既読が気になる、グループの話を避ける、眠れない)が出たら、事実確認の前に明日の安全を置きます。詳細は直後の「傷つく前に防ぐ・傷ついたあとを癒す・学校に行きづらいときの学び」です。
学校に行けなくなった子の勉強は、どう続けますか
在籍校に、課題・オンライン・別室・評価の受け方を文書で確認するのが先です。市町村の教育支援センター(適応指導教室)、民間の居場所、学習支援、創作の教室は、目的が違います。一覧の入口は 沖縄で不登校の小中学生が昼間に過ごせる場所 です。クロスウェーブは、心の治療の代わりではなく、プログラミングで「つくる」時間を置く教室です。
傷つく前に防ぐ・傷ついたあとを癒す・学校に行きづらいときの学び
ここからは、統計と手順のあとに置く、現場の問いです。子どもが深く傷ついてからでは遅い。傷が残ったあとも、生活と学びは続いていく。この二つを、同じページで扱います。
なぜ「傷つく前」が本題なのか
ネットいじめの怖さは、殴られたあとのアザのように外からすぐ見えるとは限らないことです。グループ外し、既読の圧力、スクショでの晒し、加工画像——どれも、子どもの中では「自分が排除された」「いつまた来るかわからない」という感覚として残ります。文部科学省の重大事態でも、心身の被害(1号)と、相当期間の欠席(2号)が並んで増えています。欠席が続く前に、眠れない・教室が怖い・通知音で体が固まる、という段階があります。その段階で安全とつながりを置けば、あとから「調査の結論を待ちながら、心も生活も崩れていく」状態を、かなり減らせます。
保護者の感覚として、「まだいじめと認定されていないから様子を見る」は、いちばん危険な待ち方の一つです。認定はあとからでもできます。先に決めるのは、明日同じ攻撃を受ける状態を止めることと、子どもが大人に話せる状態を守ることです。
クロスウェーブに届いている相談の形
宜野湾・うるま・北谷のプログラミング教室であるクロスウェーブにも、不登校や登校しぶりの子の保護者から相談が来ます。関連機関や、支援の現場に近い方から、「昼間に創作で通える場所はあるか」「課題は自分で進める子が、プログラミングを学びたいと言っている」といった話も届きます。自分が見ているのは、治療室ではなく作品の机です。それでも、クラスLINEやSNSの傷が、登校のハードルを上げている家庭があることは、はっきり感じます。
線引きはこうです。
| 相談の中身 | 先に使う入口 |
|---|---|
| 今夜つらい・身が危ない・性的画像・脅し | 110、24時間子供SOS、警察・ヤングテレホン、医療機関 |
| 学校がいじめ対応を止める・重大事態 | 校長・教育委員会・弁護士(本稿の手順) |
| 心の専門的なケア | スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、児童精神科・小児科等、公的相談 |
| 学びを止めず、つくる時間・昼間の居場所を探したい | 在籍校の学習保障、教育支援センター、沖縄の居場所の選び方、クロスウェーブの学び・昼間の構想 |
心の診断や、いじめの個別カウンセリングを、教室が引き受けることはしません。一方で、「学校に行きづらいあいだも、考える・つくる・伝えるを続けたい」という相談には、教室として向き合います。平日昼の開室は構想の段階も含め、状況は ギフテッドの子・不登校の子がプログラミングを学べる場所 と 昼間の居場所(沖縄マイクラ部デイタイム) を正としてください。
事前に防ぐ——家庭・学校・子どもの三層
予防は、スマホを取り上げることと同義ではありません。三層で厚くします。
家庭では、渡す前のフィルタリングとスクリーンタイム、鍵アカウント、知らない人とのチャット制限を先に置きます(前節のチェックリスト)。そのうえで、「困ったら先に助ける。怒って取り上げるより、一緒に止める」を口に出して約束します。子どもが最初の異変を親に言えるかどうかが、予防の本丸です。クラスLINEは、入る・入らない・夜は見ない、を子どもが選べる空気をつくります。保護者同士で投稿時間の申し合わせができる学年は、それだけでも攻撃の時間帯を減らせます。
学校では、私的クラスLINEに学習連絡を全部載せない運用、1人1台端末の個別ID、チャットログの扱い、アンケートと本人・保護者の訴えをその日のうちに組織共有する初動が効きます。情報モラルは「禁止リストの暗記」で閉じず、仕組み(スクショ、拡散、生成AI、デジタルタトゥー)を分かったうえで自分で止められる側へ寄せます。傍観者が転送を止める文化は、被害を一気に小さくします。
子ども本人には、五つのこと(前節)に加え、「大人に伝えることは告げ口ではない」「正義感の拡散も加害になる」を、ゲームや作品の話の延長で伝えます。クロスウェーブが学校・PTA向けに企画できるのは、この「仕組みを知る」側の授業です。今夜の危機対応の代わりにはなりません。
早期に動くサインの例です。全部そろわなくても、一つでも続くなら、状況整理の1枚を書いてください。
- スマホの通知音で体が固まる、夜中に何度も画面を見る
- 特定のグループの話を避ける、既読や返信時間を過度に気にする
- 「みんなはやっている」と言いながら、自分だけ外されている様子がある
- 登校前の腹痛や頭痛、別室を希望する、部活を急に休む
- 画面を親に見せたがらないのに、以前より機嫌が極端に落ちる
サインが出たら、まず「話してくれてありがとう」「いまいちばん怖いことは何?」です。尋問と学校への怒鳴り込みは、あと回しで十分です。安全対策と記録は、本稿の「トラブルが起きたとき」に戻ってください。
傷ついた子を癒すときに、先に置くこと
癒す、という言葉を使うとき、自分は医療の専門家として話していません。教室の机から見て、回復の土台になる順番だけを書きます。専門の判断は、スクールカウンセラー、医療機関、公的窓口が担います。
先に置くのは、次の四つです。
安全を取り戻す。相手方との接触、オンライン上の攻撃・転送・なりすましを止める。学校に、明日の見守りと学習の受け方を文書で確認する。投稿の削除は、違法・有害情報相談センターや各SNSの通報、必要なら警察と並行します。安全がないまま「気持ちの切り替え」を急がせると、傷が深いほど逆効果です。
責めない。打ち明けた瞬間にスマホを取り上げる、友だち関係を全部断たせる、「だから持たせるなと言った」と言う——これらは、次から親に話さない理由になります。最初の一文は感謝と、怖いことの確認です。ルールの見直しは、落ち着いてから一緒に紙に書けます。
二次被害を止める。保護者LINEやSNSで相手の実名を晒す、同級生の親への集団抗議、正義感での動画拡散は、被害を受けた子を再び舞台に上げます。証拠は学校・警察・弁護士へ。公開の場では個人が特定できる情報を出しません。
専門につながる。眠れない、食べられない、自傷の話が出る、フラッシュバックがある——家庭の工夫だけで抱えず、学校のSC・SSW、小児科・児童精神科、24時間子供SOS、ヤングテレホンへつなぎます。重大事態の疑いがあれば、ガイドラインに沿って申し立て、調査とケアを並行します。調査は年単位になることがあります。その間も、子どもの生活は止まりません。
家庭でできる回復の手伝い(治療の代わりではない)は、次のような具体です。
- 睡眠と食事のリズムを、責めずに整える(完璧より、昨日より少し)
- 「今日できたこと」を一言だけ聞く。学校の話を無理に掘らない日をつくる
- 安心できる人と、短い外出や趣味の時間を置く(本人が選べる範囲)
- 創作・読書・運動など、「自分がコントロールできる時間」を一日に少し戻す
- 保護者自身も、一人で証拠と交渉を全部抱えない(親族の分担、相談窓口)
「早く学校に戻すこと」が回復の唯一のゴールになると、子どもはまた一人で耐える選択をしやすいです。戻る日は、本人と保護者と学校で、安全が見えてから決めてください。教室に戻ることと、学びを続けることは、分けて考えてよいです。
学校に行けなくなったあとも、教育を続ける
いじめやネットの傷がきっかけで登校が難しくなっても、教育を止める必要はありません。沖縄は、不登校の1,000人当たりの数が全国より重い面があります(本稿「沖縄の状況」)。だからこそ、在籍校の外にも学びの経路を、早めに並べておきます。
在籍校に求める学習保障の例です。メールひな形の「別室・欠席が必要な場合の授業・課題・評価の保障」と同じ軸です。
- プリント・オンライン課題の受け渡し方法と担当者
- テスト・提出物・評価をどう扱うか
- 別室登校、部分登校、保健室等の使い方
- ホームルームや行事への参加の可否を、無理のない範囲で選べるか
- 次の面談日と、学習面の報告の間隔
市町村の教育支援センター(適応指導教室)は、公的な居場所と学習の入口です。宜野湾・うるま・北谷の窓口の辿り方は 沖縄で不登校の小中学生が昼間に過ごせる場所 にまとめています。民間のフリースクールや学習支援は、見学で目的と人数を確認します。勉強の進め方の保護者向け整理は 不登校の中学生の勉強 、好きなことから入る話は 不登校とマインクラフト です。
クロスウェーブが置けるのは、次の役割です。
- 放課後・土日のプログラミングで、「つくる」感覚と自己効力を戻す時間
- 仕組みを知る学びを通じた、ネット上の判断力の再構築
- 平日昼に通える形への相談(構想を含む。最新は daytime のページを正とする)
- 学校・教育委員会・支援機関からの、学びの場としての照会への応答
次の役割は、教室の外です。
- 心の診断・カウンセリングの代替
- 出席扱いの決定(在籍校の校長の判断)
- いじめの事実認定や、相手方への指導の代行
- 「通えば学校に戻れる」「不登校が終わる」といった効果の約束
学ぶ場所が複数あっても、主語は子どもです。朝起きられない週は創作だけ、調子が戻ったら課題を増やす、という調整で十分です。ゲームが入口でも、作る側に回った瞬間から、排除される側だけの体験とは違う時間が始まります。それが、遊ぶ子から、創る子へ、という教室の顔と重なります。進路や再登校の保証はしません。保証できるのは、机の上で、その子が次の一手を自分で選べる状態をつくる努力だけです。
関連機関の方へ。照会や見学の相談は、治療依頼としてではなく、デジタル創作・探究の学びの場として受け取っています。子ども個人の機微は、在籍校と保護者の同意の範囲で扱います。今夜の危機は、公的窓口を先にお使いください。
プログラミング教室の現場から考えること
クロスウェーブでは、マインクラフト(マイクラ)やRoblox(ロブロックス)を使ってプログラミングを学んでいます。ゲームやネットは、子どもにとって創造の場であると同時に、この記事で見てきたリスクと隣り合わせの場でもあります。宜野湾・うるま・北谷の机でも、「グループで外された」「チャットが怖い」という話は、作品の話の前に来る日があります。不登校の保護者や、支援の現場からの相談も、同じ机の延長に届いています。
プログラミングを学ぶことは、ネットリテラシーに直接つながっています。自分でワールドやゲームをつくると、「データはどこに保存されるのか」「ほかのプレイヤーには何が見えているのか」「チャットのメッセージはどう届くのか」を、仕組みとして理解できます。仕組みがわかると、「消える投稿もスクショで残せる」「写真には位置情報が含まれることがある」といったことが、言われたから守るルールではなく、納得できる知識になります。それが、傷つく前の予防にも、傷ついたあとに「自分でコントロールできる領域」を取り戻すことにもつながります。遊ぶ子から、創る子へ——ブランドの顔はそこですが、創る前提にあるのは、安全です。
AIの仕組みを学ぶことは、ディープフェイクのような新しい問題を、使う側・つくる側の視点から考えるきっかけにもなります。AI・データサイエンスコース では、AIが何をしていて、何ができてしまうのかを学びます。学びの全体は プログラミング教室では何を学ぶ? 、コース一覧は プログラミングスクール詳細 です。情報モラルやSNSの線引きは SNSの危険を防ぐ子供向け教育 にも書いています。昼間の学びの相談は ギフテッドの子・不登校の子がプログラミングを学べる場所 へどうぞ。
SNSいじめを防ぐ出前授業やワークショップは、学校・PTA・教育委員会との企画相談として受け付けます。今夜の危機相談・心の治療とは別です。対面の拠点は宜野湾・うるま・北谷。行き方は 教室へのアクセス です。地域の課題をデジタルで見えるようにする学びは、教室の軸の一つでもあります。仕組みを知り、自分で判断し、困ったときに大人へつながる——その力を、作品づくりの中で育てていく、という立ち位置です。
この記事のまとめ
- ネットいじめは文科省の統計で過去最多(令和6年度27,365件)。重大事態も1,404件で過去最多。見えにくいため、認知されていない分もある。
- 発見のきっかけの約半数は学校の取組、相談先の8割超は学級担任——だから担任一人で抱えさせない組織対応が必須。
- 心に深い傷が残ってからでは遅い。兆候の段階で、明日の安全と「話せる大人」を先に置く。
- 傷ついたあとは、安全・責めない・二次被害を止める・専門につながる、の順。調査とケアは並行する。
- 学校に行きづらくなっても、学びは続けられる。在籍校の学習保障、教育支援センター、居場所、創作の教室を役割分けする。
- SNSがきっかけの犯罪被害は年間1,500人規模。フィルタリング未設定の指摘が繰り返されている。
- 生成AIの性的ディープフェイクは、同級生間でも起きている。画像は保存・転送せず警察へ。
- 困ったときは、調査の結論を待たずに「明日の安全」を求め、1枚の状況整理と証拠を残し、動かなければ教育委員会・警察・弁護士へ並行してつなぐ。
- 沖縄は、ネット長時間利用・不登校・暴力行為の指標が全国より重い面がある。ヤングテレホンや公的居場所の窓口を併用する。
- クロスウェーブは心の治療窓口ではない。仕組みを知る学び、学校向け安全教育、不登校期の「つくる」時間の相談には応じる。
自分からひとこと
自分が見ているのは、プログラミングの机です。それでも、クラスLINEとSNSの被害は、子どもの「考える・つくる・伝える」の前に、安全の問題として先に来ます。傷が深くなってからでは、取り戻すのに時間がかかる。だから予防の話を厚く書きました。傷が残ったあとも、学校に行けない週があっても、学びまで止めなくてよい——その経路も、同じ決定版に並べました。
保護者が一人で証拠と交渉と調査を全部背負う設計は、最初から無理があります。今日残すのは、完璧な立証より、子どもの安全と、確認できる要求と、次の窓口です。学校が動くことを祈りながら待つより、明日の接触をどう減らすかを文書で確認する。動かなければ、同じ話を何度もしないで、設置者と警察と弁護士へ並行する。心の専門は専門家へ。学びの机は、ウチでも備え続けます。
教えている自分のことは すずきたかまさ(鈴木孝昌)プロフィール に書いています。サイト全体は 沖縄のマインクラフト・プログラミング教室 クロスウェーブ です。数字と窓口は変わるので、困った夜はリンク先の公式を開き直してください。
学校への相談メールひな形
件名:いじめ・SNS上の被害に関する相談と安全対策のお願い(〇年〇組・氏名)
〇〇学校長 〇〇様
教頭 〇〇様
お世話になっております。〇年〇組・(子どもの氏名)の保護者、(氏名)です。
本日時点で把握している範囲では、(日時)、(クラスLINE/部活動グループ/SNS等)において、(排除・誹謗・画像共有・なりすまし等、分かる範囲)がありました。情報源は(本人が見た/保護者が画面を確認した/友人からの連絡)です。現在、子どもには(不眠・登校困難・欠席等)の影響が出ています。
相手方を断定して非難する意図はありません。未確認の点も含め、組織として事実確認をお願いします。そのうえで、まずは次の安全対策と報告をお願いします。
- 明日以降、相手方との接触を減らす具体策(座席・動線・部活動・オンライン上のやり取り)
- SNS上の攻撃・転送・報復を止めるための学校の対応と、削除要請等を行う窓口
- 本件の校内責任者(いじめ対策組織の担当)と、保護者への連絡窓口
- これから調査する事項と、現時点で未確認の事項
- 面談記録等の保存方法
- 一次報告の予定日(こちらからは〇月〇日までのご連絡を希望します)
- 別室・欠席が必要な場合の授業・課題・評価の保障
必要に応じて学校の設置者にも共有し、重大事態に該当する疑いがある場合は、ガイドラインに沿った対応をご検討ください。性的画像等が含まれる場合は、複製・転送を控え、警察等への相談も含めてご教示ください。
ご多忙のところ恐縮ですが、本件は子どもの安全に関わるため、文書でのご回答をお願いいたします。
保護者氏名
電話/メール
参考にした主な資料
門真・町田・旭川・須磨・浦添・沖縄市・豊見城・川崎・日大三高・海外事例などについては、主要紙・放送局・自治体公表の報道ベースで要約しています。裁判が続いている事例もあり、その後の経過で結論が変わる可能性があります。個別のトラブルについては、学校、教育委員会、警察、弁護士などの専門家に相談してください。本記事は法的助言の代替ではありません。
今回の調査上の限界
- 東京都「こたエール」個別事例本文、大津地裁判決の控訴・確定、福岡盗撮事案の県教委全文PDF、県内のネットいじめ件数・令和6・7年SNS被害児童数など、一次資料を取り切れない部分があります
- オンラインゲーム課金強要・端末共同編集の個別重大事態報告書は、同粒度での特定が途上です
- Claude稿由来の二次報道リンクのうち、本稿で本文取得し切れなかったものは、表現を慎重にし、断定を弱めています
沖縄で教育版マインクラフトを使ってプログラミングを学ぶ|クロスウェーブ
沖縄のRoblox(ロブロックス)プログラミング教室|クロスウェーブ
今すぐ、LINEから見学・説明・無料体験を予約できます。パソコンを使った体験は、PCの空きがあれば可能です。人数が多い場合は、見学と説明が中心になります。「見学だけでもいいですか?」という問い合わせも大歓迎です。SNS安全の授業を学校やPTAと企画する相談、不登校期の学びや平日昼の創作についての相談も、同じLINEで聞けます。心の治療の代わりにはなりません。いま子どもの身が危険なとき、今夜のいじめの危機相談は、このLINEではなく、本文の24時間子供SOSダイヤルか110です。
マインクラフト・プログラミングの見学・説明・無料体験の申込はこちら
沖縄マイクラ部プログラミングスクール「クロスウェーブ」 代表:鈴木 孝昌 (Google/Meta本社招待・政府PM・日本ソフトウェア大賞・マイクラカップ沖縄地区最優秀賞・TBS賞) 運営母体:株式会社WEVA(沖縄AI勉強会 WEVA)|沖縄ホームページ制作工房WEBCRAFTS 沖縄県宜野湾市伊佐2-20-15 伊佐ビル2F (c) 2012-2026 WEVA. All Rights Reserved.
クロスウェーブ(沖縄マイクラ部)への参加方法
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沖縄マイクラ部プログラミングスクール「クロスウェーブ」では、マインクラフトカップ全国大会への挑戦・入賞を目指す仲間を募集しています。当校では、目先の楽しさだけで終わらせず、将来の選択肢を広げる本格的なプログラミング教育(Python、Scratch、MakeCode、JavaScript、Unity、Godot)をはじめ、実务に直結する動画編集講座(Premiere Pro、DaVinci Resolve、CapCut)や、HTML/CSSによるWeb制作講座まで、一貫した次世代デジタルスキルを指導しています。
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沖縄県うるま市(うるま校)
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